内容説明
翻訳の先駆者が挑んだミステリの世界。いま初めてその全貌があきらかになる!ユーモアとウィットの連鎖が生みだす、錯誤と錯誤の綾をあざやかに解く。
著者等紹介
松本恵子[マツモトケイコ]
1891(明24)年、北海道函館市生まれ。別名・中野圭介、中島三郎など。青山女学院英文専門科を卒業。知人の子女の家庭教師としてイギリスに滞在中、松本泰と結婚した。1919(大8)年に帰国後、21年頃から開始された、東京・東中野を文化的拠点とする泰の出版活動と創作活動を支え、自らもクリスティーの翻訳や探偵小説の創作を発表した。36(昭11)~37年には、泰と共訳で『ヂィケンズ物語全集』を、55~56年には、単独で『クリスチー探偵小説』を刊行している。30年代から児童文学の翻訳に意欲を示し、74年には日本児童文芸家協会の児童文化功労賞を受賞した。76年死去
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
来古
1
【創作】「皮剝獄門」「真珠の首飾」「白い手」「万年筆の由来」「手」「無生物がものを云ふ時」「赤い帽子」「子供の日記」「雨」「黒い靴」「ユダの歎き」【翻訳・翻案】「節約狂[原作:レイ・カミングス]」「盗賊の後嗣[翻案・原作不明]」「拭はれざるナイフ[原作:ハリントン・ストロング(ジョンストン・マッカレー)]」「懐中物御用心[翻案・原作不明]」【評論・随筆】2024/06/01
旭
1
初読。本棚から呼ばれたような気がして手に取ったのだけど、とても良かった。探偵ものというよりは、ほのかにミステリーの香りがする程度で、とっつきやすく、そして楽しい。「真珠の首飾」のようなふわりとした恋物語もあれば、「子供の日記」のひやりとする一編もある。「雨」「黒い靴」が好き。翻訳物もエッセイもあって嬉しい構成。特にエッセイからは、ちゃきちゃきっと物怖じしない著者の性格がページから立ち上るよう。これは随筆集も読みたくなる。シベリア鉄道で会った青年士官との挿話が、切なく後を引いた。2011/10/30
まゆき
1
夫の泰の作品とも共通したハイカラさや鷹揚さがとても魅力的。探偵小説としては弱いけれども描かれる風俗を読むだけでかなり楽しいので個人的には読めて良かった。「雨」「手」が好き(タイトルがみんな素気ないのも面白い)。 2010/03/11
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