内容説明
“正宗”神話の核心を衝く。従来の―「日蓮正宗は、現在まで七百年余り、日蓮大聖人の内証を血脈相承してきた正系門下である」―という「神話」的見解に、長年の文献精査と現地調査により疑義を呈する労作。
目次
第1論文 「血脈の貫主は絶対」という神話の形成(現日蓮正宗の血脈相承観にみる神話と逸脱;日興の唯一者意識とは ほか)
第2論文 「貫主のみ知る秘伝」という神話の崩壊(現今の血脈論争の盲点;現代の大石寺門徒の信仰における唯授一人相承の意義 ほか)
第3論文 「本尊権の貫主独占」という神話の虚構(血脈相承のない平僧が書写した本尊について;貫主以外の僧による本尊の模写・模刻 ほか)
第4論文 「富士の清流七百年」という神話の欺瞞(戦争礼賛の曼荼羅本尊を認めた日応と日恭;大石寺周辺祠社にみる石山本尊の不敬 ほか)
著者等紹介
松岡幹夫[マツオカミキオ]
1962年長崎県に生まれる。1980年奈良県立奈良高校卒業。1984年創価大学教育学部卒業。1986年日蓮正宗僧侶として得度。1988年大石寺内の富士学林図書館に勤務。1992年日蓮正宗を離脱、青年僧侶改革同盟を結成。2004年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在、東洋哲学研究所研究員、博士(学術)。専攻は日蓮仏教論、近現代仏教研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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