内容説明
「ニーチェとともに、文献学者でありながら、ドイツ哲学史上に確固たる地位を要求しうる思想家でもあった」(K.ケレニィ)と謳われた著者が、ニーチェ的「ギリシア精神の開顕」を目論む、異色のバッコス論。
目次
第1部 神話と祭儀
第2部 ディオニューソス(序言;ディオニューソス祭儀の原郷;ゼウスとセメレーの後裔;その神顕現の神話;来臨する神;仮面の象徴 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
またの名
7
シラフだったら恥ずかしさの感情や良識に負けて躊躇するような倒置法とか過剰なレトリックを乗せに乗せながらも研究書の体裁を残す、奇書に片足を突っ込みかけた神話論。聖なる領域の経験を論理的原因から説明するのが当然になった実証的な世界観を蹴り飛ばし、霊感へと著者自身を精神上昇させるかの如く議論なのか詩作なのか判らない怪文を、この狂乱の神にふさわしい言葉として書き殴っていく。己自身を引き裂く狂気は「今なおあらゆる事物の中で最も内面的なものであって、ただしより高き悟性の光に支配され、いわば諒とされているわけであるが…2024/07/23
コマイヌ
0
訳文になんじゃこりゃって言いながら読んだ。訳者あとがき通りニーチェ的な文だとして、ならとっても面白かった2014/11/04
更新停止中
0
こんな無駄に芝居がかった不自然かつあざとい訳文さえ我慢出来れば(あと著書の「どいつもこいつも何も解ってねえけど俺様に言わせりゃあな」力がもうちょっと弱ければ)もうちょっと楽しめたのだが。とは言え私のようなすぐに「大地母神系の豊饒神」だ「古い民族を新しい移民が支配した名残」とかそういう解りやすい類型に当てはめて「神話学的に見ると(ドヤァ」とかほざいてる阿呆をぶん殴るには充分な質量を持った論だと思う。本題のディオニュソス信仰の第二部よりも、第一部の「神話と祭儀」をもうちょっと普通の訳文で読みなおしたい。2012/05/02
くぬぎ
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翻訳が読みにくかった。と同時に、語学の素養・覚悟なしにこの分野を専門にしたい、などとほざいてはいけないと思い知った。回り道の後に再び戻ってきて再読したい。2011/04/08
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