First Archives<br> 彼女のカロート

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First Archives
彼女のカロート

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  • サイズ 46判/ページ数 233p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784845925292
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

長く単行本化が望まれてきた傑作小説、待望の刊行。



耳が聞こえなくなった女性アナウンサーからの依頼は、彼女自身のために新しい墓をつくってほしいというものだった。彼女とのどこかちぐはぐなやりとりが主人公の日常を静かに侵食していく表題作「彼女のカロート」。読むことに困難を抱えながら文学に殉じる青年がある〈宝物〉をめぐるシュールな冒険に巻き込まれていく「宦官への授業」。発表時に読者を衝撃と驚嘆の渦に巻き込んだ、1行ごとに読む快楽に包まれる2篇を収録。



彼女はさりげない、かといって愛想を失い切らない──レストランで食事を注文したついでに水を頼むような──口調でこう声をかけた。

「あとお墓下さい」

(「彼女のカロート」より)



「彼女のカロート」は、小説だけでなく、広い意味での「書くこと」を後押しする触媒としての力を発している作品だと思う。本作がさらに広く読まれ、人々にヒントを与えることを願ってやまない。

──千葉雅也(哲学者・作家/本書解説)



当時も興奮し、いままた興奮が新鮮に胸に迫るこのテキストを、もしかすると作者名すらしらなかった新しい読者に手渡せることは、奇跡あるいは僥倖としかいいようがない。

──江南亜美子(書評家/本書解説)



※収録作「彼女のカロート」(『すばる』2010年7月号)、「宦官への授業」(『文學界』2013年12月号)



◆シリーズ[First Archives]

倉本さおり・滝口悠生・町屋良平の3名が選者となり、文芸誌に発表された小説や入手が困難になっている書籍のなかから、あらためて読み直されるべき作品を刊行していくシリーズです。

文学には、発表時に大きな反響を呼びながらも単行本として読まれる機会を持たないまま時間が過ぎていってしまうことが少なくありません。

First Archives は、そうした作品をはじめて書物として残し、文学の記録として手渡していくための試みです。

発表から時を経て、こうして刊行される作品が、新たな読者との出会いを生むことを願っています。


【目次】

内容説明

耳が聞こえなくなった女性アナウンサーからの依頼は、彼女自身のために新しい墓をつくってほしいというものだった。彼女とのどこかちぐはぐで不穏なやりとりが主人公の日常を侵食していく表題作「彼女のカロート」。読むことに困難を抱えながら文学に殉じる青年がある〈宝物〉をめぐるシュールな冒険に誘われていく「宦官への授業」。発表時に多くの作家・評論家を虜にした、1行ごとに読む快楽に包まれる2篇を収録。

著者等紹介

荻世いをら[オギヨイヲラ]
1983年生まれ。2006年「公園」で第43回文藝賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

烏骨鶏

1
このエピソードを使って、いくらでも違う作品をかけるだろうけれど、ことごとくすり抜けていく感覚は確かに酷く自分の内面を思い出させるのだ。。 解説を読んで又、そういう抜け感みたいなものを私は感じとれただろうかと自問する。。2026/06/25

alberi

1
彼女のカロート2026/06/14

毒モナカジャンボ

1
「彼女のカロート」大谷翔平(世利匡太郎)との遭遇がことごとく失敗し続けることによって大谷翔平の存在感が遍在することになる大谷翔平小説の先駆かと思ったが、原作2010年なので大谷翔平小説ではなかった。「宦官への授業」読書における短期記憶の減衰曲線を見透かしたかのようなタイミングで各エピソードの投入がコントロールされている。両作とも「彼」を「ぼく」にしてもある程度成立するだろうが、随分味が変わるだろう。「彼」にすることでこそ可能になる時空の楔の打ち方がある。2026/04/28

guchikin

0
表題作と「宦官への授業」2篇。どちらも鋭い書き味。予定調和を裏切り、するする掌をすり抜けていく文体。思いがけぬ展開を追ううち読むことの快楽に溺れ、物語の回廊に嵌り込む。小説の醍醐味が詰まった1冊。初読の作家さんで、今回の再評価企画に感謝したい!2026/05/19

_2l1p

0
これはまた読み返した方がいい2026/05/18

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