「国語」と出会いなおす

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  • サイズ 46判/ページ数 296p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784845924257
  • NDC分類 810.4
  • Cコード C0095

出版社内容情報

国語は得意だったけど、文学はよくわからない

文学を読むのは好きだけど、国語はつまらなかった

──でも、どうしてわたしたちは国語を学んだのだろう?



国語と文学の歩んできたビミョウな関係を紐解きながら、

ゆるやかな共同性を育む教室の可能性と、小説のもつ多様でゆたかな解釈を結びつける。

現役国語教師/批評家の著者による、新しい国語/文学論。



★芥川賞作家・滝口悠生が、自作の試験問題を解きながら国語と文学について語る特別対談も収録!



「国語で文学は教えられない」という批判に見られるように、

対立するものとして語られがちな「国語」と「文学」。

けれど果たしてその対立はまっとうなものなのでしょうか?



新学習指導要領に伴って新設された「文学国語」と「論理国語」や、

著者が教室で体験したさまざまな生徒からの反応、

文学研究の成果が反映された現在の指導内容、国語の試験と小説の相性の悪さ、

「文学史」のつまらなさとその必要性……



国語と文学をめぐるさまざまなトピックから、

属性や立場の違いを超えて《同じものを読んでいる》ということのみによって担保された、

共同性を育むものとしての「文学」の意義を再確認する。

内容説明

国語は得意だったけど、文学はよくわからない。文学を読むのは好きだけど、国語はつまらなかった。でも、どうしてわたしたちは国語を学んだのだろう?現役国語教師/批評家の著者による、新しい国語/文学論!国語と文学の歩んできたビミョウな関係を紐解きながら、ゆるやかな共同性を育む教室の可能性と、小説のもつ多様でゆたかな解釈を結びつける。

目次

第1章 国語は文学をわかってない!?
第2章 物語と共同性
第3章 最近の教科書を見てみよう
第4章 書きすぎていない小説と試験問題
第5章 文学史について考えよう
第6章 「文学」を再設定する
対談 滝口悠生×矢野利裕 国語が問うもの、文学が描くもの―出題者と作者による国語入試対談

著者等紹介

矢野利裕[ヤノトシヒロ]
1983年、東京都生まれ。国語教員として中高一貫校に勤務するかたわら、文芸・音楽を中心に批評活動をおこなっている。2014年「自分ならざる者を精一杯に生きる―町田康論」で第57回群像新人文学賞評論部門優秀作受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

まこみや

43
「国語」の教員として多くのことを考えさせられた。一つだけ挙げるなら、私の「小説」の授業は、入試問題として小説を解くためにはいくらか利があったのかもしれないが、小説そのものを読むことの楽しさを生徒と共有するものではなかったなあという苦い反省である。2025/07/27

22
文学と国語の一筋縄ではいかない関係。読みやすいが語るのは難しいテーマだ。「文学は学校の外で読むものだ」という主張自体が、自身の文化資本の高さを棚に上げたエリート主義的な発言である可能性があるって鋭い指摘。中動態のくだりも興味深い。行為(選択)は必ずしも意志をともなわない。責められるべき行為を叱るとき、意志の存在を前提にしてはいけない。2025/11/22

kuukazoo

18
著者は私立中高一貫校の国語教師として勤めつつ文芸批評家としても活動。教科・教育としての「国語」といわゆる「文学」の間の深い溝を指摘しつつ、今の教育現場(授業や入試問題)で文学を扱う際重視していることや課題であることを論じ、最終的には「文学を共有する」ために両者ができることをやれれば、という感じかと思った。いろいろ興味深かったが、最終章、滝口悠生さんの作品で著者が作成した入試問題を実際に滝口さんが解き、その答え合わせがそのまま滝口作品の解読、より深い読みにつながるキーになってて、ファンとしては面白かった。2025/06/15

aloha0307

17
文芸批評家であり国語教員でもある著者:矢野さん 漱石『こころ』など国語教科書の定番作品を例に出し、国語&文学の相互関係を問い直していきます📗文学 は読者の通念を揺るがすことを期待されているのなら、社会的な通念を教え習熟させる学校国語とは、そもそも相性が良くないのですね🖋2025/11/19

まさおか つる

16
みんなが少なからずどこかで、というか多くの人が「国語」の教科書で一度は読んだはずの「文学」を、人によってはきれいさっぱりと忘れてしまった「文学」を、ふたたび現在の視点から考えたいと思います。本書を読むことが、かつて目のまえを通り過ぎてしまった「国語」との新鮮な出会いなおしになることを願って。2025/07/31

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