内容説明
ひとつの映画作品を問うことにおいて、映画そのものの存立を問う、その終わりなき営みとしての「映画批評」の可能性。『評伝ジャン・ユスターシュ』の俊英による、実験=実践の記録。
目次
1 映画の再定義(そしてドキュマンの氾濫はアタラント号にいたる―ジャン・ヴィゴ『アタラント号』(一九三四)
ロングショットのメロドラマ―アッバス・キアロスタミ『オリーブの林をぬけて』(一九九四) ほか)
2 細部への着目(一枚のハンカチ―サッシャ・ギトリ『カドリーユ』(一九三七)
マヤは誰を演じているのか?―濱口竜介『寝ても覚めても』(二〇一八) ほか)
3 映画史の中で(二つの『ノスフェラトゥ』―F.W.ムルナウとヴェルナー・ヘルツォーク;コピーのコピー―ヴィム・ヴェンダース『時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!』(一九九三) ほか)
4 映画時評の方へ(外国映画レビュー―二〇二一年八月~二〇二三年六月)
5 ジャン・ユスターシュとその仲間たち(ボリス・ユスターシュのこと―『評伝ジャン・ユスターシュ』取材余話;ジャン・ユスターシュとは誰か?―廣瀬純との対話 ほか)
著者等紹介
須藤健太郎[スドウケンタロウ]
1980年生まれ。映画批評家。現在、東京都立大学人文社会学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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