内容説明
「ふわふわ」を正し、じたばたしながら、「くよくよ」を守れ。ポジティブになれない日本人のための試行錯誤論、ここに見参!
目次
序 八回目に起き上がるために
第1章 プラグマティズムを大雑把に理解する
第2章 評論×プラグマティズム=田中王堂
第3章 政経×プラグマティズム=石橋湛山
第4章 教育×プラグマティズム=田制佐重
第5章 スポーツ×プラグマティズム=三隅一成
第6章 倫理×プラグマティズム=清水幾太郎
第7章 『思想の科学』の周辺
第8章 哲学×プラグマティズム=鶴見俊輔
終章 試行錯誤のアンチノミーのなかで
著者等紹介
荒木優太[アラキユウタ]
1987年東京生まれ。在野研究者。明治大学文学部文学科日本文学専攻博士前期課程修了。2015年、第59回群像新人評論優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ころこ
33
「あとがき」に自身の書いた著作は「自己啓発的だと呼ばれることがある」と記しています。文脈からするとこの「自己啓発的」とは否定的な意味のようですが、補足すると著者の実存に触れているという意味だろうと思います。在野研究者が実存に触れていない本を書いてどうするんだと思いますし、学問をする動機を忘れたような職業人よりも、看板をいつでも降ろすことができる中で6冊目の本を出す著者の方がよっぽど立派です。こんな「私小説的」な本は学者には書けないだろうし、著者はまだ実存に触れる本を書ける年齢なので、あと何年いけるのか頑張2021/12/03
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
30
1章だけ読んで内容に興味が湧かなかったので読むのをやめて返した図書館本。筆致は面白かった。哲学を面白く解説する飲茶さんにどことなく近い感じ。2022/06/01
かんがく
10
平易でくだけた文章で日本のプラグマティズムを解説していくが、読みづらいくだけ方。なんか無理して若者ノリしている感じがある一方で、フリガナ全然つけなかったりしてチグハグ。出てくる思想家は知らない人も多く、引用部分などは面白かった。プラグマティズムの実践主義は、全体主義にも自由主義にもつながる。2023/01/13
澄川石狩掾
3
日本におけるプラグマティズムの受容と展開について勉強になったが、「雛形がある。ぴよぴよ」のような調子の文体には最後まで馴染めなかった。どのような意図でこの文体が選ばれたのか、気になる。2022/01/29
zhiyang
1
序における「(失敗をプラスに転化させる考え方は)累積的恥辱が切り捨てられている」という問題設定がとにかく素晴らしい。それだけで正直良い。プラグマティズムの入門書としても良いと思うのだけれど、不思議と要約して理解できない。軽妙な語り口と、重要人物を年代順に並べる構成のおかげで、とても読みやすいのだけれど、日本のプラグマティズム受容はどういったものなのか、不思議と咀嚼できていない気がする。そこらへんは私のオツムの問題かも。気が晴れるという意味では非常に実用的で(?)良い哲学入門書だったと思う。2022/06/13