内容説明
イメージやモノが氾濫し、群島化した世界にふさわしい「オルターモダニティ」とは?翻訳の思考を通して現代の美術批評を素描する。
目次
序論
第1部 オルターモダニティ(根―ポストモダン理性批判;ラディカルとラディカント;ヴィクトル・セガレンと二一世紀のクレオール)
第2部 ラディカントの美学(美学的不安定性と放浪する形態;形態=行程;移転)
第3部 航海論(文化的な雨のなか(ルイ・アルチュセール、マルセル・デュシャン、芸術的形態の使用)
芸術的集産主義と道筋の生産)
ポスト・ポスト、あるいはオルターモダンの時代
著者等紹介
ブリオー,ニコラ[ブリオー,ニコラ] [Bourriaud,Nicolas]
1965年生まれ。キュレーター、作家、美術批評家。パレ・ド・トーキョー、テート・ブリテン、エコール・デ・ボザールなどの要職を経て、現在モンペリエ・コンタンポラン・ディレクター
武田宙也[タケダヒロナリ]
1980年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。専門は哲学、美学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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その他
2
ポストモダンの果てに作家が保つべき軸や立ち位置について、力強く大きな旗を立てるような本だった。“お行儀良く”立ち回る美術や作家の在り方を批判しながら、作家の仕事とされてきた「翻訳」というキーワードを「移動」と再定義する事で、原点的な根を張る事と先を指し示していく事を両立してみせた。2025/02/20
right27
2
発売年的にインターネットがまだ「夢」だった時代の話だったりするのかな。記号航海士の話は夢があるしなんでもかんでも「ルーツ」に結び付けんでも(またはルーツからしか芽生えないわけでもない)という話は分かりつつ、それでも逃れられない「宿命」みたいな考え方に結局なるところもある。その概念が社会に漂っている限り自由にはなれない的な?2024/05/31
のそみ
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結論としては、グローバリゼーションの課題は物象化で、アートはそれに抵抗する実践であれ、ってコト!?2024/02/01