ファッションと哲学―16人の思想家から学ぶファッション論入門

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  • サイズ A5判/ページ数 508p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784845917167
  • NDC分類 133
  • Cコード C0010

出版社内容情報

ファッションを、思考する。



マルクスからベンヤミン、バルト、ドゥルーズ、そしてラトゥール、バトラーまで……

哲学から読み解く、まったく新しいファッション理論入門!!







マルクスからフロイト、ベンヤミン、メルロ?ポンティ、ドゥルーズ、フーコー、ルーマン、さらには現在進行形で世界的注目を集めるラトゥールやバトラーまで、厳選された主要な現代の理論家16名の鍵となる概念やアイディアをわかりやすく紹介。それらの理論が今日のファッション、衣服、文化にどのように関係しているかを考察する、これまでになかったまったく新しいファッション理論入門書が待望の刊行!



「あらゆる文化的なプロセスや体験を通して考えることと同様に、ファッションを通して考えることは、刺激的で挑戦的な訓練である」(序章「ファッションを通して考える」)



アイデンティティ、ジェンダー、美学、モダニティ、創造性、グローバルな流通、経済、生産と消費……現代社会の最重要テーマをファッションを通して考えることでファッションの理論化とそのアップデートを目指し、同時にファッション(デザイン)批評の実践をもおこなう、ファッションの理解と分析を深めるための、基本的かつ決定的一冊。





現代を代表する思想家の理論が、

ファッションを考える鍵になる!

序章 ファッションを通して考える

 (アニェス・ロカモラ&アネケ・スメリク|蘆田裕史訳)

 1 ファッションを理論化する

 束になって展開する理論/言語論的転回/ポスト構造主義のポリティクス/古い唯物論と新しい唯物論

 2 主要理論家たちの概要



第1章 カール・マルクス|ファッションと資本主義

 (アンソニー・サリヴァン|原山都和丹訳)

 はじめに/マルクスの人生を垣間見て、装いの持つ象徴的な力を学ぶ/ヘーゲル、フォイエルバッハとマルクス──史的唯物論への道/資本主義、装いからファッションへ/「万人のためのファッション」を生産し、消費する?/労働、「類的存在」、そして装飾品の二重性/剰余価値、労働の搾取、競争/商品の物神崇拝とファッション/おわりに──マルクスが未来を形づくる



第2章 ジークムント・フロイト│フェティシズムでは終わらない──ファッションと精神分析

 (ジャニス・ミラー│西條玲奈訳)

 はじめに/フロイトと性的欲望─過去と現在/無意識/フロイトのファッション論/去勢理論/ファッションとフェティシズム/まなざし/ジェンダーと仮装/精神分析とファッション/精神分析の限界/おわりに



第3章 ゲオルク・ジンメル│哲学的モネ

 (ピーター・マックニール│蘆田裕史訳)

 はじめに/ジンメルの社会学/ジンメルの美学化された実存/ジンメルと後の社会学/ジンメルはファッションについてなにを語ったか/トリクルダウン/おわりに──ジンメルの死後



第4章 ヴァルター・ベンヤミン│ファッション、モダニティ、街路

 (アダム・ゲッツィ&ヴィッキ・カラミナス│藤嶋陽子訳)

 はじめに/ヴァルター・ベンヤミンの著作へのシャルル・ボードレールの影響/歴史、記憶、時間/プルースト的な記憶と襞/資本のファンタスマゴリア的な機械/生産、再生産、そして表象/おわりに/あとがき



第5章 ミハイル・バフチン│グロテスクな身体の形成

 (フランチェスカ・グラナータ│安齋詩歩子訳)

 はじめに/バフチンの位置づけ/バフチンとファッション・スタディーズ/バフチン、ファッション、越境的身体/ファッション、カーニヴァル、転倒/おわりに──さらなる提案



第6章 モーリス・メルロ?ポンティ│ファッションの身体的経験

 (ルウェリン・ネグリン│小林嶺訳)

 はじめに/メルロ?ポンティの受肉した実存についての理論/メルロ?ポンティと新しい唯物論(ニュー・マテリアリズム)/受肉した実践としてのファッション理論へ向けて/近年のファッションデザインにおける現象学的アプローチ/おわりに



第7章 ロラン・バルト│記号学とファッションの修辞的コード

 (ポール・ジョブリング│平芳裕子訳)

 はじめに/モードの体系と記号学/ファッション、広告、神話/ファッション、悦楽のテクスト/おわりに



第8章 アーヴィング・ゴフマン│文化観察の技法としての社会科学

 (エフラト・ツェーロン│関根麻里恵訳)

 はじめに/ゴフマンの相互行為秩序/パフォーマンスにおけるドラマツルギー・モデル/ワードローブ・アプローチ/本物かみせかけか?/不気味なものという方法/おわりに



第9章 ジル・ドゥルーズ│ファッションの襞に包まれた器官なき身体

 (アネケ・スメリク│西條玲奈訳)

 はじめに/生成変化/多様な生成変化/いかにして器官なき身体は衣服をまとうか/ファッションの襞/ヴィクター&ロルフ──うずまくリボンと蝶ネクタイ/おわりに



第10章 ミシェル・フーコー│身体政治の形成

 (ジェイン・ティナン│安齋詩歩子訳)

 はじめに/フーコーの概念的枠組み/フーコーの方法をファッション研究に応用する/おわりに



第11章 ニクラス・ルーマン│流行と時代遅れのあいだのファッション

 (オレリー・ファン・ドゥ・ペール│大久保美紀訳)

 はじめに/すべては社会的なもの/ルーマン理論のコンテクスト/三つの段階/ファッションのパラドックス/ファッションは近代社会の機能的サブシステムであるか?/おわりに──ファッション・スタディーズにおけるニクラス・ルーマン



第12章 ジャン・ボードリヤール│意味の終焉としてのポストモダンファッション

 (エフラト・ツェーロン│大久保美紀訳)

 はじめに/意味作用からシミュレーションへ/衣服表象の三段階/コミュニケーションから誘惑へ/ボードリヤールとファッション理論/ファッションと意味作用の終焉/おわりに



第13章 ピエール・ブルデュー│ファッションの場

 (アニェス・ロカモラ│藤嶋陽子訳)

 はじめに/場の理論/ファッションの場/卓越性/ブロガーとファッションメディアの場/おわりに



第14章 ジャック・デリダ│抹消記号下のファッション

 (アリソン・ジル│小林嶺訳)

 はじめに/哲学における脱構築/破壊/テクストを撹乱する──意味の織物とファッションの痕跡/ファッションにおける脱構築──抹消記号下のファッション/メゾン・マルジェラ──ある構造=構築分析/オーサーシップ──作者が誰であるかということ/イノベーション/時間とファッション史/おわりに



第15章 ブリュノ・ラトゥール│アクターネットワークセオリーとファッション

 (ジョアン・エントウィスル│山内朋樹訳)

 はじめに/ラトゥール──科学技術論とその先/科学技術論/アクターネットワークセオリーの適用/ファッションを通して考える──ラトゥールを拡張する/未来のファッション研究への影響/おわりに



第16章 ジュディス・バトラー│ファッションとパフォーマティヴィティ

 (エリザベス・ウィッシンガー│関根麻里恵訳)

 はじめに/パフォーマティヴィティ──ジェンダー・パフォーマンスか規定か?/パフォーマティヴィティとドラァグ/ファッション・スタディーズにおけるバトラーの影響/身体がすでに着衣の状態であることを暴く──ド・ボーヴォワール、バトラー、ビッグ・ボトムズ/現在進行形のバトラー理論/おわりに



監訳者あとがき(蘆田裕史) 

アニェス・ロカモラ[アニェスロカモラ]
著・文・その他

アネケ・スメリク[アネケ・スメリク]
著・文・その他

蘆田裕史[アシダヒロシ]
監修

内容説明

現代を代表する思想家の理論が、ファッションを考える鍵になる!マルクスからドゥルーズ、ラトゥール、バトラーまで。哲学から読み解く、新しいファッション論入門!

目次

カール・マルクス―ファッションと資本主義
ジークムント・フロイト―フェティシズムでは終わらない‐ファッションと精神分析
ゲオルク・ジンメル―哲学的モネ
ヴァルター・ベンヤミン―ファッション、モダニティ、街路
ミハイル・バフチン―グロテスクな身体の形成
モーリス・メルロ=ポンティ―ファッションの身体的経験
ロラン・バルト―記号学とファッションの修辞的コード
アーヴィング・ゴフマン―文化観察の技法としての社会科学
ジル・ドゥルーズ―ファッションの襞に包まれた器官なき身体
ミシェル・フーコー―身体政治の形成
ニクラス・ルーマン―流行と時代遅れのあいだのファッション
ジャン・ボードリヤール―意味の終焉としてのポストモダンファッション
ピエール・ブルデュー―ファッションの場
ジャック・デリダ―抹消記号下のファッション
ブリュノ・ラトゥール―アクターネットワークセオリーとファッション
ジュディス・バトラー―ファッションとパフォーマティヴィティ

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぷほは

3
地元の図書館で鷲田清一の本を借りようとしたら『モードの迷宮』がなくてコレがあった。ジンメル、ベンヤミン、バルト辺りの順当さに加え、ルーマン、ブルデュー、ラトゥール等の社会学系も登場するのが意外。とはいえそれぞれの議論に新しさがあるかといわれると微妙で、例えば判で押したように川久保玲や三宅一生、メゾンマルジェラが言及されるのだが、ストリートファッションについて細かな分析はなく、大陸系の方々にとってストリートの若者は興味の対象にならないらしい。興味をひかれたのはバフチンのグロテスク論とレディガガの生肉ドレス。2022/03/21

伊野

3
ファッションをめぐるあらゆる言説について、例えば経済論や身体論、記号論、ジェンダー論など様々な切り口で近代から現代の哲学的思想を用いて考察されている。あとがきにおいて、学術の世界ではファッションはまだ軽視されがちであるとあったが、それは日本においてカルチュラル・スタディーズが一定の評価を得ていない構造からして当然の帰結に思われる。本書はファッション論を学ぶ人にとっては指標になりうる一冊。2020/01/20

ルンブマ

3
監訳者あとがきで、「鷲田清一『モードの迷宮』以降のファッションをめぐるアカデミズムの状況はなにも変わっておらず、新しいファッション論は出てきていない。本書が新たな一手のきっかけを…」と述べられているが、そんなものは出てこないだろうな。90年代の、身体の意識が「物質的身体」と「見えない身体」の次元とに分極した"液状化"の時代を我々はいまだに引きずっているわけだが、そんなのは"もう"どうでもよく、勝手に勝っちゃえばいいわけで。2019/12/27

kana0202

2
thinking through fashionが原題なので、ファッションというより哲学の本。各項20ページ前後のなかで、哲学者たちの基本的な概念と、ファッションへの応用可能性についてのべる。元も子もないが、20ページでやるのは厳しい。それなりにもとの哲学者のことを知らねばよめない。しかし、それなりに知っているならば読む必要はない(なぜならこの本は哲学の本だから)。というわけで、誰が読むのか不明。あと訳が気持ち悪いところ多々あり。ファッションについての人文書がポップな感じで出たことに意義はある。かも。2021/07/16

♨️

2
ファッションを、資本主義(マルクス)、モード(ジンメル・ベンヤミン・ルーマン・ブルデュー)、身体論(バフチン・メルロ=ポンティ・ドゥルーズ)、服の持つ意味(フロイト・バルト・ドゥルーズ・フーコー・ボードリヤール・デリダ)、着衣行為という演技参加(ゴフマン)、流通(ラトゥール)から見た論集。 ファッションの何が問題になるのかが学べるほか、各々の思想についてもさわりだけは触れることができると思う。またいろいろ読んだら読み返したくなる本。2019/02/01

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