クリストファー・ノーランの嘘―思想で読む映画論

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  • サイズ B6判/ページ数 517p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784845916221
  • NDC分類 778.253
  • Cコード C0074

出版社内容情報

クリストファー・ノーラン作品、日本で初めての本格的分析本!

メメント、ダークナイト、インセプション、インターステラーまで、ノーラン映画の特徴である「嘘と真実」を軸に、全長編作品を徹底考察!!



これからのハリウッド映画を牽引する映画監督、クリストファー・ノーラン。彼の映画で外せないテーマである「フィクション」や「嘘と真実」を通して、全作品を読み解いていく。各作品において「嘘」がどのように中心的な役割を果たし、観客である私たちは、何に翻弄され欺かれ、ノーラン特有の巨大な「嘘」に巻き込まれていくのか。

そのようなノーラン映画の構造に着目し、虚構(嘘、仮想、夢、偽装など)を作り込むためにどのような仕掛けを施しているか、その映像と物語の展開の巧みさを、哲学や精神分析理論からも考察。ノーラン映画ファンはもちろん、哲学や精神分析学に関心のある方まで、読み応えのある1冊です。

気鋭の映画・メディア研究者、中路武士氏による詳細なノーラン作品解題も収録!

☆最新作『ダンケルク』が、今年9月より国内ロードショー!!
http://wwws.warnerbros.co.jp/dunkirk/


■クリストファー・ノーラン (Christopher Nolan)
イギリス生まれの映画監督、脚本家、プロデューサー。子どもの頃から8ミリでの撮影を始め、その後ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで英文学を専攻するかたわら、16ミリで映画製作を行う。初長編作品「フォロウィング」(98)がトロント、ロッテルダム、香港などの映画祭で高い評価を受け、続く「メメント」でインディペンデント・スピリッツ・アワードの監督賞と脚本賞を獲得。
「バットマン」新シリーズの第1弾「バットマン・ビギンズ」の監督に抜てきされ、続編の「ダークナイト」も大ヒットした。その後も「プレステージ」「インセプション」「バットマン」シリーズ第3弾と話題作が続く。2014年には、最新の物理学の研究成果を下敷きにSF超大作「インタステラー」を完成させ、本作は全世界で6億ドル以上の興行収入を記録した。

〈主なフィルモグラフィ〉
フォロウィング(1998)、メメント(2000)、インソムニア(2002)、バットマン ビギンズ(2005)、プレステージ(2006)、ダークナイト(2008)、インセプション(2010)、ダークナイト ライジング(2012)、インターステラー(2014)、ダンケルク(2017)




「映画研究や精神分析理論、とくにラカンとヘーゲルの研究者にとって、とても重要なテキストとなる」

「気取らず素晴らしく鋭い批評。ノーランの完全な読解と言ってもいい」
──米国内 書評より



謝辞

イントロダクション 嘘の倫理学
第1章 真実という罠:『フォロウィング』と完璧な身代わり
第2章 『メメント』と知ろうとしない欲望
第3章 汚れた警官:『インソムニア』と犯罪捜査の技法
第4章 凡庸なスーパーヒーロー:『バットマン ビギンズ』の政治化されたリアリズム
第5章 『プレステージ』における創造の暴力
第6章 真のヒーローの外観:『ダークナイト』の必要な闇
第7章 『インセプション』における現実放棄の要請
結び 結果なき嘘
第8章 『ダークナイト ライジング』:闇の騎士は本当に立ち上がったのか?
第9章 反重力:『インターステラー』とフィクションによる場所からの離脱

原註
訳者あとがき
引用文献
クリストファー・ノーラン作品解題
索引


トッド・マガウアン[トッドマガウアン]
バーモント大学准教授(The Fictional Christopher Nolan執筆当時)。文理学部英文学科フィルム&テレビジョン・スタディーズ課程で映画と文化理論を教える。著書に Out of Time: Desire in Atemporal Cinema (University of Minnesota Press, 2011)、The Real Gaze: Film Theory After Lacan (SUNY Press, 2007)、The Impossible David Lynch (Columbia University Press, 2007)など多数。

内容説明

『フォロウィング』から『インターステラー』まで、作品内で巧みに仕組まれた観客を欺く構造を、ヘーゲル哲学やラカン派精神分析で徹底的に読み解く。

目次

イントロダクション―嘘の倫理学
真実という罠―『フォロウィング』と完璧な身代わり
『メメント』と知ろうとしない欲望
汚れた警官―『インソムニア』と犯罪捜査の技法
凡庸なスーパーヒーロー―『バットマンビギンズ』の政治化されたリアリズム
『プレステージ』における創造の暴力
真のヒーローの外観―『ダークナイト』の必要な闇
『インセプション』における現実放棄の要請
結び 結果なき嘘
『ダークナイトライジング』―闇の騎士は本当に立ち上がったのか?
反重力―『インターステラー』とフィクションによる場所からの離脱

著者等紹介

マガウアン,トッド[マガウアン,トッド] [McGowan,Todd]
バーモント大学准教授(The fictional Christopher Nolan執筆当時)。文理学部英文学科フィルム&テレビジョン・スタディーズ課程で映画と文化理論を教える

井原慶一郎[イハラケイイチロウ]
鹿児島大学教授。専門は英文学、表象文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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踊る猫

24
ラカンやヘーゲル、ジジェクにカント……難解な哲学に触れられるなかなか手強い本。だが興味深く読める。結局のところは人は嘘/フィクションを通してこそ真実に至るということなのかなと思ったのだけれど、その辺り分かったような分からないような……ただ、ひとつだけ言えるのは、本書を読めば必ずクリストファー・ノーランの映画を観たくさせられるということだ。決して独善的な屁理屈に酔った書物なんかではない。さほど傑作だとは思えなかった『インターステラー』も本書を読み終えたあと再鑑賞したくなってしまった。翻訳者の工夫も高水準だな2017/07/03

梟木(きょうぼく)

13
近年の大作における「本物志向」とは裏腹に、ノーラン映画の核心には必ず「嘘」がある。その可能性からノーランの全作品を論じた一冊。言われてみればなるほど、尾行者の主人公が逆に欺かれるデビュー作『フォロウイング』から友人の名誉を守るためバットマンが自ら殺人者の汚名を着た『ダークナイト』まで、「嘘」はノーランにとっての非常な関心事であり続けたのだ(ただし『プレステージ』を完成させて以降は???)。ヘーゲルやカント、ラカンといった思想家たちの言説が引かれるため手強さはあるが、充実した読書体験になることは間違いない。2017/10/13

ルンブマ

3
一般的には、「真実」と「フィクション」を分離し、真実の方を、フィクションによって汚される以前の原初の状態として見る。しかしながらノーランの映画においては、真実を発見するために、"あえて"フィクションに従う。言い換えればノーランは、ジャック・ラカンの「騙されない人はさまよう」という格言に従っているという。騙されない人がさまようのは、全ての真実の起源がフィクションにあることに気づかず、遠回りをすることなく直接真実に到達できると考えているからである。ラカンが述べるように、「騙されない人は二度間違える」。2022/04/29

キムキム

0
常々、ノーラン映画の主人公は魅力的だなと思って見ていた。「夢から覚めることが、真実の発見ではなく、真実からの逃避となることを示している。」まさに、『インセプション』は夢の世界と現実の区別を強調することでこちらを惑わせてきた。『インセプション』のコブも『メメント』のレナードも、共通で言えるあの魅力さこそも、ノーランが作る映画という大きな構造を支えるトリックなようなもので、人間不信(いい意味で)になりそう。(哲学と絡めるととても難解だったので、もう少し簡単な書が出ないかな…)2017/07/25

ゐづみ

0
クリストファー・ノーランの批評本だと喜び勇んで買ったが、これがなかなかの曲者。訳者も述べている通り、一般的な読者が求めるようなモノグラフではなく、間口はあまり広くない。枝葉の部分で興味深く読めるところは多々あったが結局エッセンスの所は分からず仕舞いといった感じ。哲学や精神分析学への言及が多く、その辺りの知識を抜きに読み下すのは困難だと言える。もう少し柔らかめのモノグラフをお願いします。2017/07/12

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