内容説明
映画を多元的に読む―ワールド・スタンダードな「映画学の教科書」決定版。
目次
映画における意味
第1部 技巧と意味(構図;カメラワーク;編集;アートディレクション;語り;メタファー、構造、人物、モチーフ;スタイル:リアリズムと表現主義)
第2部 批評的分析(歴史的批評;構造主義批評;心理学的批評;イデオロギー批評;ジェンダー批評;エスニック批評;政治的批評;ポスト構造主義批評;科学的批評)
著者等紹介
ライアン,マイケル[ライアン,マイケル] [Ryan,Michael]
テンプル大学准教授。コミュニケーションおよび演劇学部で教鞭を執る他、批評誌“Politics and Culture”の編集委員も務める
レノス,メリッサ[レノス,メリッサ] [Lenos,Melissa]
テンプル大学で博士号を取得後、ブルックデイル大学で教鞭を執り、現在はドネリー大学助教。映画を中心とした物語論を専門に研究している
田畑暁生[タバタアケオ]
1965年、東京生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院(社会情報学)修了。現在、神戸大学人間発達環境学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
65
本書は第一部と第二部に別れていて、第一部は構図、カメラワーク、編集など映像によって語りかけてくることの分析で、特に『我等の生涯の最良の年』におけるタクシーから出る場面でもカメラはまだ他の二人と共に社内にある場面や『アメリ』における赤、緑、オレンジという三色の色使いにおける効果など分かりやすく解説されている。ただ、ヒッチコック『鳥』での著者のヒッチコックが持っている女性観への解釈は納得出来ない。第二部は映像を通して主義や心理学などが語られる。参考写真が大きいのが良い。2020/04/14
nekozuki
13
想像以上に多面的な視点が紹介されていた。これまで映画の見方は、「面白い」程度だったが、本書の視点を参考により深く分析できればもっと楽しめるかもしれない。2017/10/24
Mark.jr
4
実はこういう具体的な映画の見方を教えてくれる本をずっと読んでみたかってのですよ。 「映画とは技巧(テクニック)と意味との結婚である。」2024/05/24
べべべ
3
すごいいい 自分で、なんとなくこうしたい、なんとなくこういうのが良いな、という考え方をロジカルに言語化してくれている本。 映像の見方を何段階か上げることができる。嬉しい。 自分がなんとなくこうしたいというのは無意識のうちではなくてしっかりと原因があったんだなと実感。2021/12/14
De PalmaX
2
1章の"技巧と意味"で映画表現の基礎を学び、2章の"批評的分析"で表現とその意図を様々な視点から紐解くという段階を踏んだ作りで、勉強になる。しかし保守派はリベラル派に比べて扁桃体が、リベラル派は保守派に比べて前帯状皮質が大きいという話がP219に出てくるんだが、それは優生思想的な奴じゃないか?大丈夫なのか?2022/02/15