内容説明
分野と国境を越えていく、「グローカル」なものづくりの未来。
目次
1 FABが地域をつなぐ―ファブラボ鎌倉の取り組みから
2 FABで国境を越える―旅するメイカーとグローカルなものづくり
3 FABが循環を変える―ソーシャル・ファブリケーション時代における野生のライフサイクル思考
4 FABが職業を変える―デザイナーからメタ・デザイナーへ
5 FABが経済を変える―生産と消費の新しいシステム
6 FABが産業を変える―超多品種少量生産という未来の製造
7 FABが教育を変える―工業高校が取り組む「機械系ファブラボ」の可能性
8 FABが芸術を変える―芸術がFABを変える
座談会 FABでどこまで遠くへいけるか―分野や国境を越えていく個をつくるために
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sanchai
6
論考集。各々が同じような事例を取り上げながら、それを別の切り口から見ている。FABに関わっておられる人って、こういうことをいつも考えておられるのだろうか。そうだとしたら、この本を読んだ人にとってはファブラボは結構敷居が高く感じられるのではないか。門外漢の僕等からしたら、メイカーズムーブメントとFABの違いなんてどうでもいいことなんですが。だから、かなりの飛ばし読みをした。途上国の社会問題の解決にFABができることについてももっと論じて欲しかったところ。2014/11/26
izw
5
3Dプリンター、レーザーカッターが安価に普及するようになり、個人・少人数でも種々のものづくりが自由にできるようになった。それらを活用してものづくりをするコミュニティを形成する場としてファブラボ(FAB)が数多くなってきた。FABで何が変わるかについて8テーマ「地域をつなぐ」「国境を超える」「循環を変える」「職業を変える」「経済を変える」「産業を変える」「教育を変える」「芸術を変える」について論じられている。20年後、30年後に社会が大きく変わっている可能性を感じる。2014/04/10
Yukinori
4
各著者が描くFabの未来像にはどこか不完全さを感じさせるものがあった。パソコンが一般に普及していったように、Fabというやり方が根付いていくには、いくつかのパラダイムシフトが必要なように思う。ブラックボックスだらけの中に手の下せるテクノロジー分野が必要ということには納得。2015/01/10
uheei
3
Maker FaireやFab9、そして田中氏の著作から受け取ってきたようなワクワク感はこの本にはなかった。Fabを巡るルポタージュと論考から編まれた本書だが、様々な著者が一様に未来を論じながらも、その語り口は奇妙に現在において閉じられているように感じられた。対談の章でFabを巡る批評の場を立ち上げる事が目的と知り何か腑に落ちたが、20年後に書棚から出して過去を振り返るための本と思われた。それだけに、巻末の久保田氏の短い文章によって添えられた開かれた問いが唯一の救いのように感じられた。2014/08/07
モリケン
0
ほとんど現在の取り組みにフォーカスされており、デザインや建築・教育・産業など様々な方向でのFabの発展の可能性を示唆している。研究目的で読んだ自分としては学術的な記述が欲しかったが、それは田中教授の「Fab」を読めということか。2016/03/24