内容説明
いま再び、脚光を浴びるフランス映画の名匠!『海の沈黙』『サムライ』『影の軍隊』『仁義』…ヌーヴェル・ヴァーグの先駆者、自主製作で映画の新たな可能性を切り開いた最初の映画作家、J=P・メルヴィルの軌跡が、ここに蘇る。
目次
第1章 ジャン=ピエール・メルヴィルが生きた時代
第2章 小説の忠実な映画化とは何か
第3章 ヌーヴェル・ヴァーグ前夜
第4章 知られざる文芸映画
第5章 フィルム・ノワール―男たちの絆
第6章 対独レジスタンスの神話と現実
第7章 アラン・ドロン三部作
第8章 自主独立の映画作家、ジャン=ピエール・メルヴィル
著者等紹介
古山敏幸[フルヤマトシユキ]
編集者・ライター。1954年、神戸市生まれ。同志社大学文学部卒業。1981年、オリジナル脚本「雷鳴のきざし」で新人脚本家を対象にした城戸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tom5k
1
映像作家としてのチャーリー・チャップリンなどは別格の存在でしょうし、トーキー、カラー・CG・3D映像など、進化し続ける現代映画の複雑なシステムでは、どんな天才でも作家主義を単独で達成していくことは有り得ないことで、その手法で創作できると考えることは、映画における「独裁」や「ポピュリズム」に迎合する映画ファンに幻想があるからでしょう。当時、作家主義の先端であったジャン=ピエール・メルヴィルでさえ、カメラにアンリ・ドカ、俳優にアラン・ドロン、原作にセリーノワール叢書などともに存在していた映像作家だったのです。2016/12/28