内容説明
最後に気づく一番大切なこと。何かをやりぬいた人の言葉の輝き。
目次
音楽家系(L.バーンスタイン(指揮者)―人間の結ばれを求めたバイセクシュアルな調性の世界
武満徹(作曲家)―神なき祈りを音楽に託す ほか)
思想家、革命家系(フリードリヒ・ニーチェ(哲学者)―病んだ身体を鍛える健康法と思索を統一
マルティン・ハイデガー(哲学者)―十七歳年下の女学生との生涯にわたる恋 ほか)
美術家、小説家、映画作家、建築家系など(ヨーゼフ・ボイス(美術家)―「社会彫刻」を唱え、資本主義をカウントダウン
マルセル・デュシャン(美術家)―「反芸術」の果てに見た自由と賭け ほか)
心理学者、精神医学者系(S.フロイト(心理学者)―優雅に美術コレクションを集め、生をまっとう
C.G.ユング(心理学者)―湖の傍に石の家を建て、名もなき永遠の道を進む ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
26
1人4頁構成。L.バーンスタイン:音楽も人間が生得した固有の能力と主張。人間の脳にはLAD(言語習得装置)が存在するとチョムスキーが仮定したように、音楽版も存在するとした。調性システムとのこと(14頁~)。書くとは何か、なぜ書くのか、ノーベル文学賞を拒否したJ=P・サルトル(52頁~)。エドワード・サイード:憎しみからくる暴力ではなく怒りからくる知識を!(72頁~)。L=F・セリーヌ:無意味な言葉を消費する人間たちとより、言葉の通じない動物との方がずっと心が通いあった(115頁)。2015/10/02
あなた
4
思想家や文学者、音楽家たちの晩年を描く。その人選のチョイスがすばらしすぎる。アルチュセールにジョン・ケイジ、デュプレにセリーヌ、バスター・キートン。フィルムアート社は内容がぺらいけど企画は秀逸なものが多いので遠慮せずこういう本をどんどん世に送り出してくれるととても嬉しい。この本、俺のラストまで座右においておきますから2009/07/16
がっちゃん
2
彼らが残したメッセージを我々はいつどこのなにをラストとして受けとるのか。最後なのか、最期なのか。2019/09/23