出版社内容情報
世界を焼き尽くす謎の少女アスラ。はるか遠く高くで始まる審判の時、愚かな人類に裁きが下る。断罪の先にアスラの思いは届くのか…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bo-he-mian
15
エルド吉水の『HEN KAI PAN』の日本版。「龍子」とは、ジャンルもテーマもかけ離れた奇想の作品なので戸惑う方も多いと思うが、いま最も必要とされている物語こそが本作ではないかと思う。 温暖化を巡り、世界中の精霊が地球環境を破壊した人類に審判を下そうとする。ただ、その精霊たちにも勢力争いのようなものがあり、人類を滅ぼそうとする者や、人間には罰を与えるだけで命は奪うべきではないとする者との間で戦いが繰り広げられる。その渦中にいる主人公・アスラの覚醒と人類の末路を描くエコロジカル・ディザスター・コミックだ。2025/04/24
緑虫@漫画
2
★★★★ 神々が地球の各地で争って人類が滅びたりする壮大な話が写実性高めの緻密な絵柄で描かれる。五十嵐大介「魔女」や「百億の昼と千億の夜」みたいな感じもある。作品のノリがぜんぜん最近の人じゃなくて、70年代くらいのコアな劇画(宮谷一彦を想起した)みたいな重厚さへの指向を感じる。なおかつそれを実現する筆力もきちんと備わっていて、即ち私が好きな漫画ど真ん中みたいな作品だった。「龍子」よりこっちの方が断然好き。2025/05/02