出版社内容情報
「沖縄で、沖縄を描く」ことに50年の画業を捧げてきた孤高の劇画家・新里堅進。鬼気迫る作品の数々と半生を記録した破格の一冊。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
二人娘の父
7
沖縄に生き、沖縄を描き続ける劇画作家・漫画家。その仕事の全貌は本人もよく知らないらしい。考えてみると、新里堅進を知ったのはなんでだろう。私は新里堅進の作品から、沖縄戦と「真実」を見出そうとしている。文字や白黒写真だけでは分からないもの。作品の中で最も印象に残るのは、登場人物の眼・目だ。これは写真では分からない。ましてや文字ではまったく知ることはできない。ソウル・サーチンは「魂の探求」だろうか。翁長雄志が言ったように沖縄県民の「魂の飢餓感」からくる探求だろうか。とにかく多くの人に手にとって欲しい力作だ。2025/08/31
アメヲトコ
5
2025年8月刊。戦後80年、80歳間近な今も那覇を拠点に沖縄と沖縄戦を描き続ける孤高の漫画家新里堅進の仕事に光を当てた一冊です。評伝と傑作選が交互に来る構成で、その溢れ出る熱量(912というページ数も含め)には圧倒されます。どこかで見たことのある絵柄だと思っていたら、大学生のときに読んだ『首里城ものがたり』の作者なのね。もっと知られてよい作家だと思います。2025/08/27
緑虫@漫画
0
★★★★ 沖縄ローカルの漫画家・新里堅進の評伝プラス代表作の抜粋。全900ページ超と物理的にもかなりゴツい。漫画8割、評伝2割くらいの分量だろうか。新里堅進は「ハブ捕り」と「跳べ!虎十」だけ読んだことはあったけどキャリアの中心といっていい戦記ものは読んだことがなかったので読めてよかった。とはいえ、基本的に収録作は全て抜粋なので続きが気になってしまう。買おうにもどれもプレミアついてて手が出ない。沖縄の古書店を巡れば買えたりするんだろうか。特にひめゆり学徒隊を描いた「水筒」はなんとか読んでおきたいと思った。2025/08/14