出版社内容情報
長崎丸山遊郭の見習い「たま」の揺れる思春期と季節の記憶。第24回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」受賞第一作、待望の第3巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チョビ
3
たまの少女期の終わり。島田さん家の謎。ヴィクトールの妹たちの品のなさの謎がとける。登場人物が大切な人を守ろうとしては挫折していく、そんな歳時記。そして「夢の国」のキャストになるたまはどこへいく?だって廓生まれのたまは丸山から出られないから…。2022/02/26
Susumu Kobayashi
1
たまをは禿(かむろ)から引込になり、遊女としての訓練を受ける。一方、たまをに心を寄せるフランス人青年ヴィクトールは父に身請けのことを話すが断られる。岩次は信仰の問題で悩む。虎四郎は官軍として奥羽討伐隊に加わる。2023/12/29
ReiOdaira
1
戊辰戦争の官軍の兵士たちがどういうモチベーションで参戦したのか、難しいところだ。2023/10/29
アルハ
0
ついに初潮を迎えたたまを。 引込新造として望んでいた教育を受けられる嬉しさ半分、姉女郎の代わりに酔客の相手を務め、道ゆく男達に女として品定めされている事を知り、認めたくなかった「女」としての運命といよいよ向き合わざるを得なくなる。匂い立つ様に美しく成熟していくたまをにもたらされるものが、必ずしも幸福だけではないのが運命の皮肉な所。そして常にたまをを明るく照らすりきやも、病魔という悪夢に取り憑かれようとしているという残酷さ。当事者たる彼女達は運命を恨む事なく粛々と生きているだけに、かえって哀切さが際立つ。2022/02/07