出版社内容情報
ページを捲るたびに地獄が炸裂する…!
360度パノラマのVRの臨場感に飲まれてゆく男。マッチングアプリで憂さ晴らしする男。忘却の彼方からトラウマを蘇らせる男。何者かわからないものに日常を蝕まれ続ける女。ゾンビの溢れる街でデリバリーに励む男。積年の恨みつらみが臨界点を突破する街……よくある日常の風景がほころぶとき、その僅かな隙間から怪異と狂気に彩られたアメーバ状の恐怖が侵入する! 令和のホラーコミック界を牽引する蒼き新星の初単行本がついに刊行。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hannahhannah
10
金風呂タロウの初の紙媒体の単行本。郊外が舞台の地獄絵巻。VR、マッチングアプリ、子どもの頃の記憶、精神疾患、フード・デリヴァリー、祟りなど。どれも暴力的で強烈な話ばかり。絵も毎度のことながら見ているだけで不吉な事が起こりそうな気がしてくる禍々しさ。それでも以前より少し見やすくなったかな。作家の澤村伊知やラッパーのMETEORも推薦しており、金風呂タロウが今後さらなる飛躍を遂げるのは間違いない。2022/04/01
∃.狂茶党
9
実話」テイスト。 実話怪談ではなく、実話雑誌や、スナッフ・フィルム感覚。 性的な場面何度も出てくるものの、それらは残虐な行為に結びついており、リョナ的な意味合いでもポルノ感は乏しい。 画質の悪いビデオ作品のようなざらつき。 どこかで見たような。 そんな感じすら覚えるが、それは、悪夢の持つ感触だろう。 これを読むものは嫌な気分が、残るに違いない、それはつまり、読み手の善良さか、何かしら邪悪なものだ。 2022/06/03
フロム
6
魚眼レンズを多用した初期古屋兎丸の様な構図にヤンマガの増刊に載ってる新人の様なザラつく絵、ホラーと言うよりバイオレンス漫画にくくりは近い。アイデアが割とベタなのでもう一捻りと言うか、もう一味あれば劇的に面白くなるのにちょっと惜しい感じがする作品。2022/05/02
ドント
2
うらみつらみが紙面ににじむ、地獄の漫画と人の言う。黒い点描風の作画で恐怖を描く金風呂タロウの初単独著。エグみやアクの強さ、時にポッと飛躍する描写など癖の強い作風ながら見てくださいこのとぐろを巻く怨念を。厭な世界を。泥を飲まされているような気持ちになります。しかしこんな稀有な読書体験ができるのはこの作者だけでしょう。もう少しケバ立ちが抑えてあればなおよかったけれどこれも氏の持ち味な訳で難しい所。一度発売延期になり「どうしたんだろう」と心配していたら一部にモザイクがかかっていた。うぅん、かけなきゃいかんか……2022/02/01
漫画専用アカ
1
力作だとは思うが、各話、読み手を没入させるような導入が上手くいっておらず、もしくは、それすらも拒否しているのかもわからないが、え? いま、誰が、何をした?と戸惑うばかり。2022/11/18