感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トラシショウ。
30
「言葉で物事を伝えられるなんて元々錯覚でしょ・無神経な人達がそれを忘れて使っているだけ。(中略)一度その事を意識してしまったら、言葉は使う物ではなく観察の対象に替わり、開けてはいけない蓋まで開けて・言葉の正体を見てしまう」。積読消化。「水に似た水でない何か」を求め、退屈な日常を神話的に読み解き、他人の会話の断片を繋ぎ合わせて「詩」が浮かび上がれば、ブロックを組み立てていた筈が新たな言葉のロジックに到達していたりする。児玉さんと笛田君の日常はどちらが主体なのか。何やら哲学化して来たな(以下コメ欄に余談)。2020/09/20
りー
25
なんだこいつ…面白いぞ!ド嬢とはまったく切り口の異なる読書案内(?)でありながら、それ自体がマジックリアリズムやSFを内包した、信頼出来ない語り手による私小説のような…とにかく盛り込まれた連作短編漫画集。あまり長続きはしないと思うけれど次巻も楽しみ。2020/06/28
オザマチ
17
本当に不思議な魅力がある作品で、読み終わった傍から読み返したくなる…。2020/06/19
kenitirokikuti
10
酒見賢一『語り手の事情』を読んだとき、もし「語り手」をメイドと仮定するならば全ての物語はポルノグラフィアなのでは? という猥りがわしい発想に酒見賢一天才だな、と叫ぶのですが、本作は、文学は処女だよ。しかも女子高生なんだよ。そして文学者は永遠の童貞だよ。という事実をつきつける。せ、先輩はしょ、処女なんですか? すると彼女は答えた。いまあなたが想像している通りよ、と。2020/12/28
ささやか@ケチャップマン
10
美しいという言葉がしっくりする漫画。世界が言葉によって変質するのだ。「だから他の文学少女は私が殺す 文学少女になる前に」という台詞は白眉。2020/06/16