感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロ
1
4作品収録。1993年1月発表の「カオスの帝国」では、UCLAの教授が“社会カオス理論”の検証のために、米国の銃社会を弄ぶ。僅か90頁で12年間を描いているのが凄い。1996年7月発表の「ラストジハード最後の聖戦」では、チェチェンが舞台の偽札計画が描かれ、日本紙幣の印刷技術の一端を知ることができる。1995年12月発表の「北海の煙突船」はEUによる北海汚染を描き、同年月発表の「未明の標的」は印度国家保安隊を描いている。前者は、熱意が空回る皮肉が強く印象に残る。後者は当時の印度の闇を垣間見る思いがした。2012/10/21