内容説明
90年ドイツ統一の実現、拡大ECの現実化、激動に揺れる欧州政治と市民社会の諸問題を把え直す軸は何か。ドイツに学び、ヴェーバー思想を吸収した第一線経済史家たちが、住谷一彦氏記念の本論集に、一斉に各最新研究成果を寄せる。
目次
はしがき 「市民的経営資本主義」について
第1部 ドイツ資本主義の諸相(「東西較差」と「南北較差」―ドイツ的経済空間の史的構造;ドイツにおける戦後改革と資本主義の転換―独占規制を中心に;経済統合の系譜―ナウマン「中欧」論によせて;マックス・ヴェーバーの暫定取引所委員会における報告)
第2部 近代意識の構造(明治日本と「市民的徳性」―福沢諭吉と徳富蘇峰;近代日本における「治外法権」の一側面―オールコック・ノート断片;グスタフ・シュモラーと第2帝政―自由主義と保守主義の相克)
第3部 ヴェーバーの思想世界(「専制神」と「解放のゲマインデ」―ヤハウェスムスの精神構造;「デルフィの神託」覚え書;カール・ヤスパースのヴェーバー像;マックス・ヴェーバーの「普遍史的視座」形成史考―『経済と社会』と『世界宗教の経済倫理』の関連によせて)
市民的生活態度の成立
一つの路を往きつつ