内容説明
『エイリアン』は16世紀から語りつがれた伝説だった。『未知との遭遇』『E.T.』『キャリー』『悪魔のいけにえ』『13日の金曜日』、アメリカ大衆娯楽文化が生みだした、ホラー映画、コミック、恐怖小説は、口承伝説の下地の上に成立している。具体的作品の分析によって、時代の抱える強迫観念を明らかにする。
目次
1 体内の蛇―フォークロアと大衆芸術
2 血だらけの部屋―恐怖映画、おとぎ話、タブー
3 巨人のおもちゃ―郊外の親指小僧
4 人殺しばあさん―がらくたの代表
5 緑の世界―アメリカのピーター・パン
エピローグ 「ジェイソン」伝説―大衆芸術とフォークロアの共生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
tkdmsk
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ハリウッド映画やタブロイド新聞、都市伝説といったメディアを介した大衆娯楽に見られるフォークロア・神話的要素について。『エイリアン』や『E.T.』『悪魔のいけにえ』『ウォー・ゲーム』など。2015/08/05
massn
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絶版なのが惜しい名著。大衆芸術をフォークロアの系譜と捉えて、映画、タブロイド紙を神話、おとぎ話と対比していく。で、ユングの元型論が云々かんぬん。でも、精神分析と比喩をお座なりに使われてて、筆者が拠って立つ論理がよくわからん。内田樹先生のネタ本?2013/02/05
すけきよ
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アメリカの大衆文化――というより、ジャンクカルチャーを、フォークロアから読み解く、という、ちょっとトンデモ気味な本。まー、要するに、映画『ウォー・ゲーム』は『魔法使いの弟子』、『悪魔のいけにえ』は『青ひげ』になぞらえることができる、というもの。その論理の展開はどうかな、と思わなくもないけど、それなりに面白い。かの有名な『ウィークリー・ワールド・ニューズ』にも1章割かれている。これはまさに現代のフォークロアなのだから、無視すべきではない、と。つまり、東スポも研究対象にすべき、ということだ(笑)2002/09/24
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