内容説明
本書の西欧人の日本論は、どこまでもフィクションとしての日本論である。フィクションの視座を押し通しているから、自由にフィクションとしての日本を語る。そこにはまさに虚構としか言いようのない美しい幻想や印象もあれば、虚構としての恐れもある。しかし良くも悪しくて、それが西欧人の見た「ニッポン」なのである。
目次
ニッポンあるいは他者のユートピア
日本、その高級な横顔
映像の映像化
雷撃
上下する竹
翻訳は一つの旅である
逆転都市
空の征服、垂直の国
魔法の噂―慢性的魅惑の諸様相
舞踏、あるいは日本の裏側
日本人論と日本の国際化
日本人についての典型的なイメージ
相違の利用
日本製を買う
猿の神話
日本の新聞のななめ読み
連歌
青と線
線としての時間
父のニッポンに包まれて―モーリス・パンゲ、ジャン・ペロル、オーギュスタン・ベルクに捧げる
禅―ある誤解の小史
ガリヴァーと青銅の鏡
空虚の輝き―日本美術における時空
私は知っている、彼方では
『お菊さん』、または大壺に描かれている人物像
千の庭
陽は当たらず―サンドール・クラスナからの手紙の抜粋



