感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koki Miyachi
6
序文に、海野弘によるテキストがある。写真集のタイトルに合わせて「石の抱く夢」というタイトルがついている。内容を読んで唖然とした。石を擬人化した叙情的な散文なのだ。この写真はそんな事を語ってはいない筈だ。人間が手を加えた建築物や、土木構築物になった石の写真なのである。擬人化された石が何を記憶しているかではなく、人間の歴史の痕跡あるいは残滓がそこに写し取られている。人間の営みの記憶なのではないだろうか?写真自体は素晴らしいのに、この序文には首を傾げざるを得ない。村井さんもそれで良かったのか?疑問が残る。2013/03/24