出版社内容情報
人気シリーズ「乙女の本棚」第50弾は、文豪・江戸川乱歩×イラストレーター・ホノジロトヲジのコラボレーション!小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
【目次】
内容説明
それは凹面鏡によって囲まれた小宇宙なのです。われわれのこの世界ではありません。「私」には、鏡の魅力に取りつかれた友人がいた。彼の欲望は尽きることなく、ひたすら自らの世界を追求していく。江戸川乱歩の名作が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは『縊死体』、『駈込み訴え』、『春の心臓』、『人間椅子』、『死後の恋』、『瓶詰地獄』、『外科室』を担当する大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって、鮮やかに現代リミックス。小説としても画集としても楽しめる魅惑の1冊。
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
明治27年(1894年)、三重県生まれ。早稲田大学卒業。雑誌編集、新聞記者などを経て、1923年「二銭銅貨」でデビュー
ホノジロトヲジ[ホノジロトヲジ]
2015年よりフリーのイラストレーターとして活動中。キャラクターデザイン、イラストなどを手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
132
久しぶりの乙女の本棚シリーズ(もう50弾にもなるのね!)鏡というだけでなんとなくゾクゾクしてしまう。しかも球体の鏡だ。乱歩が描く狂気があった。私の苦手な世界なのに、このイラストの所為だな・・2025/12/04
アキ
80
乙女の本棚・第50作目。江戸川乱歩の幻想的な世界を、乙女の本棚ではお馴染みのホノジロトヲジのイラストで彩ります。私が聞いた友人Kの話という形式で、その後は友人Kの語りが中心となり彼の鏡に対する異常な執着と、鏡で周囲をめぐらせた球体の中で狂うまでの物語。最後まで私は不在のまま終える。読者は途中から友人Kから見た彼の異様さに共感しつつ、彼の鏡へののめり込みの真の理由は明らかにされない。鏡に対しなぜそこまで惹きつけられるのか、単なる嗜好とも言えるが、嗜好も過剰になると自分が支配される側になってしまうのであろう。2026/05/11
シャコタンブルー
55
鏡に魅せられ、鏡に憧れ、鏡の中にまで入ってしまった「彼」は鏡の地獄を目の当たりにしたのだろうか・・なんだか恐怖よりもある種の奇妙な可笑しみを感じた。鏡、望遠鏡、万華鏡等は人を別の世界に誘う道具かも知れない。チームラボでの鏡を巧みに使用した壮大な景色には息をのみ感動した覚えがある。「彼」も他人を驚かせたり喜ばせた頃は幸せだったに違いないが、鏡が好きすぎて鏡そのものになってしまったのかも知れない。ホノジロさんの万華鏡を思わせる可憐で鮮やな絵が素晴らしい。2025/12/20
たまきら
53
キラキラとした繊細な線描が、この異様な「鏡」の描写にマッチします。京極夏彦さんらが好きな若い人たちが、この作家を「再発見」するのがとっても楽しい。日本の元祖変態オジサンたちを若者、乙女に突きつける出版社に引きつつも、こういう言葉と現代のクリエイターたちを競演させることには深く賛同してやみません。…凹凸レンズで歪められた、ぐにゃりとした視覚への挑戦も見てみたかったかな。2025/12/23
ぐうぐう
25
取り憑かれてしまう人物が、乱歩の小説には度々登場する。本作では鏡だ。「彼」と呼ばれる人物は、幼少の頃から鏡に関心を抱いていた。年齢を重ねるごとに関心は高まり、執心はエスカレートしていく。その過程で、様々な鏡のデザインが執心の象徴として出てくるのだが、イマジネーションも含めてそこが乱歩の腕の見せどころであり、読みどころでもある。狂人が狂う原因が恐怖であったと語り手は悟るが、逆ではないかとの余地がこの小説にはある。(つづく)2025/11/21




