出版社内容情報
人気シリーズ「乙女の本棚」第41弾は、文豪・江戸川乱歩×イラストレーター・粟木こぼねのコラボレーション!小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
内容説明
小説家大江蘭堂は、取材のため人形師のアトリエに赴いた。そこでは怪しげな老人と、想像を遙かに超える作品たちが彼を待っていた。江戸川乱歩の名作が、映画のワンシーンを切り取ったような美しさを持つ作品で人気を集めるイラストレーター・粟木こぼねによって、鮮やかに現代リミックス。人気シリーズ「乙女の本棚」の第41弾が登場。小説としても画集としても楽しめる魅惑の1冊。
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
明治27年(1894年)三重県生まれ。早稲田大学卒業。雑誌編集、新聞記者などを経て、1923年「二銭銅貨」でデビュー
粟木こぼね[アワキコボネ]
2017年からSNSでの公開を中心に、創作活動を始める。映画のワンシーンを切り取ったような、どこか物語性を感じられる絵が魅力のイラストレーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寂しがり屋の狼さん
50
『乙女の本棚』シリーズ40冊目(◕ᴗ◕✿)江戸川乱歩、同シリーズでは「人間椅子」「押絵と旅する男」など…押絵はシリーズ初となる粟木こぼねさん。素敵なイラストが物語の中に引き込んでくれます。角田喜久雄、山田風太郎の作品も気になる。2024/11/27
さっちゃん
43
乙女の本棚シリーズ。江戸川乱歩×イラストレーター・粟木こぼね。怪奇小説家の大江蘭堂が取材のため老人形師の仕事部屋を訪ねる。まだ誰も入ったことがないという仕事部屋には…。/死骸のような精巧な人形、そして暗闇の中で手で触って感じる触覚の美術。怪しげな老人の狂気にゾワゾワする。最後の美しい「人形」は何故ここに…。リレー形式で書かれたようで、ラストが唐突に訪れるため続きが気になって仕方ない。結局どうなったの…。2025/02/11
ぐうぐう
33
連作としての『悪霊物語』。その第一部を担当した江戸川乱歩の部分を収録。よって結末はないのだが、それがかえって余韻を深めている。乱歩はおどろおどろしく描写してはいるものの、この物語を楽しんで書いているのがわかる(それが連作というスタイルによるものかどうかはわからない)。とはいえ、本書の一番の驚きは「乙女の本棚」初登場となる粟木こぼねのイラスト画だろう。精緻でありながら、どこかで余白を残すその画は、何より美しく、ゆえに魅せられる。2024/10/16
ちえ
32
粟木こぽねさんの絵は初めてだけど、物語にぴったり。それにしても、ここで終わるのー(*´Д`)こわーい、どうしたって先が気になる。2024/12/29
Cinejazz
29
〝小説家<大江蘭堂>は、取材のため世田谷経堂の古い洋館の建つ人形師のアトリエを訪問する。そこでは、怪しげな老人形師「伴天連爺」こと<日暮紋三>と、想像を遥かに超える作品が彼を出迎えた・・・。「蝋人形は、どのように造るのですか」「画家がモデルを使うように、人形師もモデルを使います。生きた人間の肌に石膏を塗って型を採るのです。 まさか死骸からからではありませんよ。手で触ると、たまりませんよ。ふふふっ・・・〟<江戸川乱歩>とイラストレ-タ-<粟木こぼね>さんとのコラボによる、生死の世界を迷走する怪奇小説。 2025/04/05