出版社内容情報
本書には、1986年から1987年にかけて『週刊少年チャンピオン』に連載された『ミッドナイト』全67話の中から、単行本未収録の11話分と、最終回に重要な役柄で登場するブラック・ジャック出演回3話分を収録。当時の判型のままの大きなB5サイズ、高精細な印刷、そして貴重な巻末資料を掲載と、これまでの立東舎の手塚本同様のフォーマットでお贈りします。
『ミッドナイト』は晩年の代表作のひとつでありながら、発表以来35年間知られざるエピソードとして多くのファンから単行本化を熱望されていた未収録エピソードが存在しました。本書は、それら14話を含む幻の作品集、しかも手塚治虫がブラック・ジャックを描いた最後の作品でもあります。さらに、巻末資料として全67話分の扉絵原画、単行本の表紙絵、予告カット、そして『ミッドナイト』のプロトタイプ『ドライブラー』の現存する原稿など資料・解題を掲載と、『ミッドナイト』の魅力を存分に楽しめる構成となっています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
16
「ミッドナイト」自体は読んではいるはずなのだけど、いまひとつ記憶に薄い。未収録エピソードをまとめたこの本は、大判で手塚治虫の描線を楽しめるのは良いけれど、やはりエピソードの完成度自体はそこまで……という印象。でも、ファンだったら落としたくない一冊だということは伝わる、丁寧な造りの本でした。2023/10/19
ムーミン2号
13
『ミッドナイト』に雑誌掲載後、単行本に収録されなかったエピソードがわりとたくさんある、ということはどこからか情報を得ていたのだが、それがこういう形でまとめて一冊の本になったというのは慶賀の至り。もともと読み切り作品なので、未収録作品ばかりを集めた形でも十分楽しめるし、ブラック・ジャックに似たテイストをもつこのマンガのいくつかが単行本に載せられなかったのが不思議なくらい魅力的だ、ということもよくわかる。『ミッドナイト』全話を読み返したくなった。2023/06/23
KDS
8
ネットニュースにて本書のリリースを知る。最終回が最初の単行本に収録されていなかったのは知っていたが、他にも11本ものエピソードが未収録だったとは知らなかった。幻の作品が読めて大満足!最終回で重要な役割を演じるブラック・ジャックと鵲カエデの登場する回も再録されていて、本書だけ読んでも違和感のない編集になっている。週刊少年誌での最後の連載作であり、しかも最終回は手塚治虫がB・Jを描いた最後となった貴重な回。B・Jが登場する三話は、それをそのまま「ブラック・ジャック」の真の最終回と位置づけてもいいかもしれない。2023/06/17
コリエル
7
ミッドナイトの36年間未収録だったエピソード群を収めた新刊本。結論としては読んで良かった。タクシードライバーである主人公ミッドナイトの人生の結末がキチンと描かれている。しかもブラック・ジャックがめちゃくちゃ重要な役割を果たして登場しているし。ちなみに掲載が見送りになったエピソード達だが、政治家や教育者などの立場のある人間がクズだったり犯罪に手を染めたりというものが多く、クレーマーに悩まされていた手塚が掲載に及び腰になったのだろうというものが多い。ラストエピソードはまた別だが。2023/07/18
まぬけのまりこ
3
未収録作品集。収録後回しのエピソードが、結果として大判という皮肉。マニア向けの面白い解説とかはなかった。しかし、何度読んでもブラックジャックに食われていて哀れな主人公 笑。でもBJ外伝と思えば、そんなに衝撃のラストじゃない、はず。でもこれ、今だと性別どっちになるんだろう。というのは野暮か。2023/12/02