出版社内容情報
人気シリーズ「乙女の本棚」第30弾は、文豪・太宰治×イラストレーター・今井キラのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
内容説明
ああ、私は一体、何を待っているのでしょう。毎日、毎日、駅にまだ見ぬ人を迎えにいく女性。今日も彼女は、駅の冷いベンチに坐っている。太宰治の名作が、乙女心をくすぐる作品で知られ本シリーズでは太宰治『女生徒』を担当するイラストレーター・今井キラによって、鮮やかに現代リミックス。人気シリーズ「乙女の本棚」の第30弾が登場。小説としても画集としても楽しめる魅惑の1冊。
著者等紹介
太宰治[ダザイオサム]
明治42年(1909年)青森県生まれ。小説家。1935年、「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し玉川上水で入水自殺した
今井キラ[イマイキラ]
兵庫県生まれ。ファッションブランドAngelic Prettyや雑誌、小説の装丁画などに作品を提供。他の追随を許さない独自の空気感で、世界中のロリータ少女たちから支持され続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bura
83
図書館で表紙に惹かれて。乙女の本棚シリーズというらしい。太宰治の名作と人気イラストレーターのコラボである。その中の「待つ」だった。戦中に駅のベンチで待ち続ける女性の独白で構成された短編に、そのイメージで描かれた今井キラのイラストが何とも不思議な味わいをみせる。調べると他にも色々なイラストレーターとのコラボで全30巻あった。心を休めたいときに又、借りてみよう。2023/04/12
寂しがり屋の狼さん
61
『乙女の本棚』シリーズ28冊目📚(◕ᴗ◕✿)太宰治は同シリーズでは4冊目、挿絵は大好きな「今井キラ」さん💕少女の心の中を覗くような独自の空気感が素敵な作品🎀2023/05/03
夜桜キハ @呪術ギネス記録おめでとうございます
50
図書館の文豪入門という福袋より。太宰治の描く文章や、描く内容が深くて好きかもしれません。ただベンチに座って誰かを待つ少女。話しかけられたら怖いくせに、待っているのは話しかけられたいのか?自分も相手もお世辞ばかり並べて、自分が嫌いで相手が怖い。物凄く共感いたします。いつの時代でもこのような感情を持つ方がいることにほっとしました。読みやすかったですし、「待っているのです。胸を踊らせて待っているのだ」という丁寧語から地の文に変わる部分も良いです。太宰治、人間失格で好きになったけれどまた好きになりました。2024/01/10
たまきら
43
初めて読みましたが、非常に心惹かれる短編でした。同時にぞっとする内容でもありました。どこかこの女性が網をはって待つクモのように思えたからです。運命の人はわしわしと食べられてしまうんじゃないのかなあ…ていうか、太宰、そういう乙女を待っていたんじゃないか?なんて思いながら読みました。2024/04/15
優希
42
太宰が描く女心が美しかったです。社会不安の中で持つ感性が「待つ」という心に通じているのでしょう。2023/11/10