内容説明
美男子と結婚して約半年。ある日夫の奇妙な行動に気づき、その後を追ってみると…。江戸川乱歩の名作が、ノスタルジーを感じさせる美しい作品で大きな話題を呼び本シリーズでは谷崎潤一郎『刺青』坂口安吾『夜長姫と耳男』を担当するイラストレーター・夜汽車によって、鮮やかに現代リミックス。人気シリーズ「乙女の本棚」の第28弾が登場。
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
明治27年(1894年)三重県生まれ。早稲田大学卒業。雑誌編集、新聞記者などを経て、1923年「二銭銅貨」でデビュー
夜汽車[ヨギシャ]
イラストレーター。少女を描くことと19世紀末の挿絵画家を好む。懐かしいような落ち着いた雰囲気のイラストを目標に制作している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
109
乙女の本棚。「人でなしの恋、この世の外の恋でございます。」江戸川乱歩の古風な文章に、夜汽車の美しいイラストが映えます。19歳の幼い妻の物語りに引き込まれて、奇妙で妖しい事件で終わるまで、華麗で幻想的な挿絵が相乗効果をもたらし、このシリーズならではの醍醐味を味わえます。1926年10月サンデー毎日初出。夜汽車の絵により、ほぼ100年前の乱歩の世界が鮮やかに甦ります。2022/12/05
寂しがり屋の狼さん
80
乙女の本棚シリーズ25冊目📚江戸川乱歩さんは『人間椅子』『押絵と旅する男』に続き3作目📕親の勧めで嫁いだ娘と人ではない【人形】に恋をしていた男の物語。(◕ᴗ◕✿)挿絵は同シリーズでは『刺青』『夜長姫と耳男』を手掛けた夜汽車さん💕もう夜汽車さんの絵が素敵すぎます✨2023/03/05
藤月はな(灯れ松明の火)
60
絵本で再読。読み返すと語り手は、嘗ておぼこで自分(特に容貌)に自信がなかっただろう少女だという事に気づく。そんな彼女をお嫁に貰ってくれたのは、美しい夫。当然、妻は自分を選んでくれた夫に尽くそうとするが、夫が愛していたのは美しい京人形だった。「若さ故の情熱・激情」を免罪符に語る女性の静かな語りは、あの出来事を遠くの事象として見ているようにも、熾火のような嫉妬を隠しているようにも思える妖艶さを湛えている。『人でなしの恋』という題名は様々な意味を孕んで幻惑してくるようだと改めて思った。2023/11/25
ヒデミン@もも
50
あの江戸川乱歩がこんな素敵なイラスト共に蘇っていたなんて知らなかった。乙女の本棚シリーズ。もうすでに30冊近く刊行。他の作家も探してみる。まるで、夢のような世界観堪能。2022/11/20
優希
45
女性のひとり語りなせいか、独特の空気感を感じました。物悲しくて切ない世界。淫靡でありながら美しい。乱歩の幻想世界を堪能しました。2023/11/05
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- 洋書
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