内容説明
毎年10月になると話題になるノーベル文学賞。その誕生から知られざる選考の裏側、歴代受賞者、50年を経て明かされる本当の候補作家、さらには未来の受賞者予想まで―。世界で1番有名な文学賞を徹底解剖!
目次
ノーベル文学賞とは何か(生みの親、アルフレド・ノーベル;ノーベル文学賞の選考プロセス ほか)
専門家が選ぶおすすめの受賞作家たち(川端康成;大江健三郎 ほか)
候補に挙がったが受賞しなかった作家たち(三島由紀夫;谷崎潤一郎 ほか)
受賞が期待される作家たち(村上春樹;多和田葉子 ほか)
歴代受賞者一覧
著者等紹介
都甲幸治[トコウコウジ]
1969年福岡県生まれ。翻訳家、早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Vakira
56
最近ジョゼ・サラマーゴさんの本を読んだ。ジョゼさんはノーベル文学賞を受賞している。僕の読歴から誰がいるかなと思いを巡らすと、スタインベック、サルトル、ヘミングウェイ、フォークナー、ガルシア=マルケス、バリガス・リョサ、カズオ・イシグロはノーベル文学賞を受賞している。カミュさんも。Butカフカさんは受賞していない。最近気になる作家、アービングもマッカーシーも受賞していない。Why?どんな基準?って思い読順変更して読んでみた。まずは何故ノーベル賞が設立されたか。それは人類に対する、死の商人の償いであった。2021/11/02
ころこ
38
以前『ノーベル文学賞にもっとも近い作家たち』から数年連続して従来の作家像ではないアレクシェーヴィッチやボブ・ディランを当てたことがありました。驚くと共にノーベル文学賞には明確に新たな指向があり、我々が普段文学といっているものとは違う文学観が選考の基準となっていると感じました。本書はそれがアップグレードされています。前著と同じく候補者のリストが掲載されており、今年の受賞者がここに載っているはずです。浩瀚いわれているように村上に加えて多和田葉子が入り、ソローキン、ウェルベック、それと中国の作家が増えています。2021/09/22
きゅー
12
川端康成がノーベル文学賞を受賞するに至った舞台裏の話が非常に面白かった。外務省の関与や、留学生を偽装した極秘調査、日本人のノーベル文学賞に対する意識調査など、受賞から50年を経たからこそ明かされた当時の状況はまるで小説のようだった。その上で、都甲幸治の言う「ノーベル文学賞なんてしょせんお祭りなんだから、その程度と思って楽しんでしまえばいいのではないか」に首肯させられた。ノーベル文学書受賞者、候補者(と推察される方々)の作品紹介も参考になった。似たような本はいくつか出版されているが、その中では一番良かった。2022/03/14
天晴草紙
10
240ページほどの本に大げさな題名だが、川端康成のノーベル賞受賞経緯とか三島由紀夫が異常に欲しがっていた話など意外と面白かった。各作家の紹介は玉石混交で、ページに余白が多いのはもったいない。せっかくなのだからしっかり書いてほしいものだ。受賞が期待される作家たちにジョージ・R・R・マーティンが挙げられているのに最近噂になったスティーヴン・キングがないのは残念。日本人作家は村上春樹と多和田葉子しかいないのだろうか。短歌や俳句から受賞者が出るのは百年後? 千年後?2021/12/04
Nobu A
8
昨日読了の「世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今」繋がり。同じ出版会社。都甲幸治を始め前書と殆ど同じ顔ぶれの執筆者に加えて新顔が数名並ぶ。その中に平野啓一郎がいるのに驚いた。立東舎って文学賞系に強いのかな。ノーベル文学賞の歴史的背景や選考の舞台裏を覗けてとても興味深く面白かった。やはり政治力はものを言うよな。それに1億円と言う桁違いの賞金に後光が射しているような。お勧めの受賞作家達のも、候補に挙がったが受賞したなかった作家達のも、受賞が期待されている作家達のも全て読みたい。せめて死ぬ前に。2024/12/26
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