内容説明
名作を「街縛り」で読んで文豪と一緒に仮想街歩き!室生犀星と古井由吉の金沢、村上春樹と坪内逍遙の早稲田、そしてフィッツジェラルドとサリンジャーのニューヨーク。25の小説に詰まった、8つの都市の魅力に迫る。
目次
1 金沢
2 ロサンゼルス
3 吉祥寺
4 福岡
5 国立
6 本郷
7 早稲田
8 ニューヨーク
著者等紹介
都甲幸治[トコウコウジ]
1969年福岡県生まれ。翻訳家、早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
uniemo
13
ある場所を訪ねる機会がある時その都市に纏わる小説を事前に用意して読みながらその場所を感じるのが好きです。本作に扱われている8都市のうちアメリカ以外の都市は私的に馴染みの多い場所でしたし、小説も少なくとも各都市に一つは読んだことがあるものでしたが、都市をイメージしながら読んではいませんでした。その街しばりで読んでみるとまた違う発見があるかもと思いました。2020/12/14
順子
12
思っていたのと違った。面白かった。国立市、国分寺市は両祖父母が住んでいたので私にとってイナカだ。土地勘があって嬉しい。出てくる小説も結構読んだものがあって、「そうそう」とか「へ~」とか「え?そうだっけ?」とか。そして読みたい本も増える。ニューヨークや福岡は行ったことないからとっても行きたくなる。この人の文章(語り口)好き。追記:自分が出た東京大学と教えている早稲田大学の比較が面白い。どちらも私の母校ではないが(おこがましい)何となく分かる気がする。2022/09/25
kankoto
9
金沢 ロサンゼルス 吉祥寺 福岡 国立 本郷 早稲田 ニューヨーク 土地にちなんだ三作品そこで過ごした都甲さんの思い出などが語られる。海外作品を紹介した著作が多かったので今回、日本の小説が多かったので意外な感じがした。 作品についてよりも都甲さんのその土地土地についての思いの方が比重が大きいような気がする。随筆のような。過去の都甲さんがその街で過ごす姿が思い浮かぶ。 国立の章で紹介されていた三作 多和田葉子「犬婿入り」大岡昇平「武蔵野夫人」黒井千次「たまらん坂」読んでみたいなと思った。 2022/05/30
mitam
8
①街を巡る筆者の思い出②街に関する客観的データ③名作小説(任意の3作品)のなかで街はどう描かれてるか。①〜③を有機的に組み合わせていくパズルのようなエッセイ集。縦横無尽に語れる筆者の引き出しがすごい。人生パーツからも人の良さが滲み出てて、会ってみたいな!って思う。 教え子が編集者になって、企画を持ちかけられて作った本らしい。構造が練られていていい企画。準備するのが楽しそう。2023/03/16
こうやん
7
街小説。旅行書ではない。違いは、そこに住んでいたということ。福岡、ニューヨーク、ロサンゼルス、魅力的な町が並ぶ。海と毒薬、グレート・ギャッツビー、取り上げられたタイトルもまた。イディッシュ語作家のシンガー。米文学ならではのチョイスも。2021/04/03