内容説明
浦塩の町で、一人の男が話しかけてきた。彼が語るのは、兵隊時代の話と、それにまつわる「死後の恋」についてであった。夢野久作の『死後の恋』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られる、大人気イラストレーターホノジロトヲジによって、鮮やかに現代リミックス。人気シリーズ「乙女の本棚」の第14弾が登場。小説としても画集としても楽しめる魅惑の1冊。
著者等紹介
夢野久作[ユメノキュウサク]
明治22年(1889年)福岡県生まれ。慶應義塾大学中退。様々な職業を転々としたあと、37歳のときに「あやかしの鼓」を発表
ホノジロトヲジ[ホノジロトヲジ]
2015年よりフリーのイラストレーターとして活動中。キャラクターデザイン、イラストなどを手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
78
ロマノフ王朝の呪い? そんな前置きをされたら、嘘臭くて、絶対に聞かないで席を立ちたい。 たった一夜の間に白髪混じりの老人になってしまった24歳のロシア人の老人。 「ハラショ」 ひと通り聞いてみると、気狂いじみていたけれど、私は、本当の、真実の話かもしれない、と、 思ってしまった。2021/04/13
寂しがり屋の狼さん
76
【乙女の本棚】シリーズ13冊目📚️「私の運命を決定て下さい」浦塩(ウラジオストク)の町で、1人の男が話しかけてきた。彼が語るものは、兵隊時代の話と、それにまつわる『死後の恋』について…押し絵は『ホノジロオヲジ』さん。同シリーズの【瓶詰地獄】や【外科室】とは違い、黒を基調とした今回の押絵は作品の魅力を引き立ててます。(*^.^*)2020/01/26
優希
50
残酷だけれど美しい。歴史を下敷きにして繰り広げられる久作の世界。挿絵とともに恐ろしさの中にあるきらめきを楽しみました。2023/11/10
ちえ
49
シベリア・ウラジオストックで、出会う人に自分に起きた話「死後の恋」を聴いてもらおうとする元白軍兵士。ロマノフ家の謎からこの話を作り出した夢野久作の才能、絵も綺麗だ、でもこの話は逆に絵がない方が狂気と恐怖を堪能できるかもしれない。初めて読んだ高校の頃の(読むべきではないものを読んでしまった…)あの感覚を思い出す。沢山の人を引き付けてきたロマノフ家の謎が最終的に解けたのは2007年、つい最近なのだから。2021/06/20
Comit
41
県立図書~「乙女の本棚」~夢野久作×ホノジロトヲジ~戯言か、真実か、真相はわからない戦争中のお話。宝石に目が眩み、相手の本質を見抜けない者が、正体を知り、恋に気付く?そしてその宝石を持ち出した場所は…😱あなたは自分の犯した罪の重さに耐えかねて、他人に擦り付けようとしているだけ。このお話が真実だとしたら、あなたの所業が一番酷い。だからこそ、誰もが信じない…信じたくないお話です。2022/11/06