臆病な詩人、街へ出る。

電子版価格
¥1,760
  • 電子版あり

臆病な詩人、街へ出る。

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784845631797
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

「早熟」「天才」と騒がれた女子高生は、今やどこにもいない。残されたのは、臆病で夢見がちな冴えない女―。「ないない」尽くしの私は、現実に向き合うことができるのか?18歳で中原中也賞を受賞した著者が、JK詩人からの脱却を図った体当たりエッセイ集。

目次

まえがき―憧れと怖れの街へ
JK詩人はもういない
失敗だらけの初詣
お祓いと地獄の新年会
八百屋で試される勇気
ガラスの靴を探して
恋愛音痴の受難
鏡の向こうにストレートを一発
私は詩人じゃなかったら「娼婦」になっていたのか?
フィンランドで愛のムチ〔ほか〕

著者等紹介

文月悠光[フズキユミ]
詩人。1991年北海道生まれ。中学時代から雑誌に詩を投稿しはじめ、16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年生のときに発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少18歳で受賞。早稲田大学教育学部在学中に、第2詩集『屋根よりも深々と』(思潮社)を刊行。2016年、初のエッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、第3詩集『わたしたちの猫』(ナナロク社)を刊行する。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩の朗読、詩作の講座など広く活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あじ

46
法定速度を従順に遵守してきた詩人が、経験値の劣弱ぶりを告解するエッセイ。おんぶにだっこの受身で凌いできた世渡りに、決着をつけるべく助手席から運転席へ移動しようと足掻く。「世間に馴染めないから詩を書いている」そんな世捨て人みたいな詩人を、世間はほっておかない。円陣の外に突き飛ばされても、いつの間にか輪に戻ってゆく詩人。臆病とは違う、躊躇いなんだと思う。★文月さんのエッセイ刊行は二冊目。執筆のきっかけは穂村弘さんの後押しあって。2018/03/26

fwhd8325

44
どうして、こんなにも過敏なのだろうかと思う。読んでいて、イラッとすることや親心のように心配になってしまうこともある。詩人、文学関わる方々すべてが、言葉を始め周囲に対して、こんなにも過敏とは思っていないが、文月さんのそれは、やはり過剰なように思う。このエッセイは、その過剰さを通してみる、文月さんの詩としての言葉が、より真摯なものに感じさせているようだ。2018/05/04

チェアー

16
詩人は意外と実社会でしっかりといきている。まじめに働き、隙間の時間で詩を書いていた。筆者のように社会になかなか入り込めない詩人はむしろ例外なのかもしれない。八百屋とか恋愛とかを恐る恐るでないと経験できないのは、相当生きにくいタイプ。でも心配はいらない。言葉はどんな辛いときでも自らを奮い立たせてくれる。2018/04/28

RYOyan

15
自虐的というか自己評価が低いというか、なんとも世の中を器用に渡り歩いてる人には相容れないようなメンタルな部分に共感することも多かった。しかし詩人になると詩以外の色んな仕事が来るもんですね。それをドタバタしながらも次々とミッションをこなしていく様は気持ちよかった。2018/05/08

きなこ

14
穂村弘さんの現実入門みたいなコンセプトだな、と。文月さんの方が自分自身の立場と近い分、アイタタタ、となることも多くて、発売時に買っていたのだけれど、なかなか手をつけられずにいた。とても内省的なひとなんだな。書くことを仕事にする人はみんなそうなんだろうか。こんなに自分と向き合い続けていたら、疲れてしまうんじゃない?と思いつつ、これが著者の持ち味か、とも思う。テレビに出演したり、アイドルオーディションに出場する、臆病というなら、それはものすごく勇気がいったはず。自分の壁をぶち壊していく姿にはため息が出る。2018/04/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12559204
  • ご注意事項

最近チェックした商品