立東舎文庫
古代金属国家論―霊山、山伏、ミイラ、大仏、そして曼荼羅から日本文化の魂を探る

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  • サイズ 文庫判/ページ数 159p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784845628766
  • NDC分類 210.04
  • Cコード C0120

内容説明

「日本の背骨のように繋がっている山の中に、かつて山伏のアジールがあった。そこは治外法権で、『もう1つの国家』を形成していた。そして修験道や密教は単なる呪術集団ではなく、高度な科学技術者集団でもあった」。そんな前提から、写真家、民俗学者の内藤正敏と松岡正剛の対話が始まります。時は1970年代後半、文化的な熱気をはらんだ時期です。「義経は山伏集団のリーダーだった」「秀吉と家康のマンダラ対決」「田沼意次は金属国家の仕掛け人、田中角栄」「大和政権=華厳思想VS.奥州藤原氏=浄土思想」など、さまざまな歴史的な事象が山伏、ミイラ、大仏、鉱物(金属)、植相などをキーワードに縦横無尽に語られていきます。

目次

第1談 山岳信仰と修験道(古代日本の全体構造を象徴する「ヤマ」;霊山の植相が明かす古代修験の謎;「ヤマ」と「モリ」に山岳信仰の発生を観る;阿弥陀ケ峰をめぐる秀吉と家康の闘い;最古のマジシャン役小角こそ山伏の祖先だった;「ヤマ」はタオイズムの流出現場でもある)
第2談 出羽三山と煉丹術(山伏こそもう一つの“隠された国家”だった;中国道教の古代科学と即身浄法;煉丹術の神秘は生と死の可逆反応にあった;鉱物の結晶世界を秘めた修験道)
第3談 山相秘録としての国家論(山は巨大なサナギである;大仏造営の国家論的必然性;場所のポテンシャル・エネルギーを読む;大仏は華厳国家の象徴でもあった)
第4談 奥州戦争と平泉黄金マンダラ(北方の脅威と日本の武力的構造;平泉黄金マンダラに封印されたミイラは“超大仏”だった;義経は山伏集団のリーダーの一人だったか;“即身仏アジール”は中間領域の逆襲のバラードである)

著者等紹介

内藤正敏[ナイトウマサトシ]
1938年東京生まれ。1961年、早稲田大学理工学部応用化学科卒業。卒業後倉敷レイヨン中央研究所に勤務。ポリビニルアルコールの研究に従事。学生時代に旧ソ連の生化学者オパーリンの生命起源説に触発され・高分子化合物と化学薬品の反応で起る偶然の造形を写す新しい実験写真を転開。1963年、出羽湯殿山の即身仏と出会って強い衝撃を受ける。4年後、日本橋の白木屋デパートで大個展を開催。日本写真批評家協会新人賞を受賞し、フリー写真家となる

松岡正剛[マツオカセイゴウ]
編集工学研究所所長・イシス編集学校校長。1944年、京都市生まれ。1971年工作舎設立、総合雑誌『遊』を創刊。87年編集工学研究所を設立。以降、情報文化と日本文化を重ねる研究開発プロジェクトに従事。2000年にインターネット上に「イシス編集学校」を開校するとともに、ブックナビゲーション「千夜千冊」の連載を開始、現在も更新中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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