内容説明
水戸黄門の徳川光圀から将軍家ご指南役の柳生宗矩、幕末の名君島津斉彬、『半七捕物帳』ゆかりの安藤信正、桜田門外の変の井伊直弼まで、17名の大名の半生をときにユーモラスに、ときに冷徹に描いた歴史エッセイ集が復刊です。本書では、時代考証家としてNHK大河ドラマなど数々の作品を担当した著者ならではの、諸大名の知られざる驚きエピソードを多数紹介。江戸幕府という中央集権国家の締め付けの下で、いかに殿さまたちが風流を貫き、あるいは敗れていったのか…。造園や茶器への執着、遊女斬り、不義密通、刃傷沙汰、入墨女、大名行列に犬を同行など、すべては道楽ではなく、“風流という戦い”だったのかもしれません。
目次
序章―殿様とは
徳川光圀―絹の道への幻想
徳川宗春―御深井の秘亭
伊達綱宗―遊女高尾斬りを笑う
井伊直弼―この世は一期一会よ
織田秀親―鬼面の茶人寛永寺の刃傷
細川忠興―凄惨な夜叉の夫婦愛
前田吉徳―間違われた加賀騒動の主人公
小堀遠州―長く嶮しい道をゆく
安藤信正―『半七捕物帳』に縁ある
柳生宗矩―まぼろしの名品平蜘蛛
松平不昧―父の風流入墨女の怪
浅野長矩―名君の史料に事欠かぬ
島津重豪・島津斉興・島津斉彬―薩摩三代の過剰風流
有馬頼貴・鍋島勝茂―大名行列に犬を引いて
著者等紹介
稲垣史生[イナガキシセイ]
1912年富山県生まれ。早大文学部卒。東京新聞記者、海軍省嘱託、雑誌編集長を歴任。テレビ・映画などで時代考証の第一人者として活躍。時代考証家としてNHK大河ドラマ「春の坂道」「赤ひげ」「勝海舟」「風と雲と虹と」などを担当。昭和50年第一回放送文化基金賞を受賞する。平成8年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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