内容説明
約30年に渡るゲーム音楽の歴史。ゲーム音楽がどのような変化を遂げてきたのかという、“音楽的”な側面はもちろん、作曲者/制作者たちが、厳しい技術制約に対してどう立ち向かってきたかといった“機械的”な部分も細かく解説。ゲーム音楽の進化の課程がこの1冊でわかる!
目次
第1章 ファミリーコンピュータ世代―厳しい技術制約との戦いの時代(『スーパーマリオブラザーズ』と『ドラゴンクエスト』;ファミリーコンピュータの音源 ほか)
第2章 スーパーファミコン世代―それぞれのカラーの時代(スーパーファミコンの登場;フィルモアの衝撃 ほか)
第3章 プレイステーション世代―表現の多様化の時代(プレイステーションの登場;4つの再生方式 ほか)
第4章 プレイステーション2以降の世代―純アイディアの時代(プレイステーション2の登場;エレキ・ギター完成までの道のり ほか)
特別収録 ゲーム音楽クリエイターたちに迫る―ゲーム音楽の発信者からの言葉(植松伸夫;古代祐三 ほか)
著者等紹介
岩崎祐之助[イワサキユウノスケ]
1979年愛知県生まれ。早稲田大学大学院卒業後、某大手ゲーム制作会社に入社。プログラマーを経て、現在は企画やディレクションを担当。ゲーム音楽の魅力を広める活動も続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hnzwd
45
ファミコンからプレステ2までのゲーム音楽を解説。ゲーム音楽は大好きなんですが、個人的には『普通だったら、これしかできないはずなのに、無理矢理こう!』みたいな所にワクワクするタイプなので、その辺が少なかったかなと。ゲーム音楽の始まりから、現在の位置づけまで紹介されてるので、聴きたい音楽はすごく増えました!2015/12/06
nbhd
18
これはちと読む本を間違えたなとグッタリしている。なぜなら『波』のことばかり書いてあるから。ただでさえ少ないゲーム研究本のうち、さらに稀少なゲーム音楽に特化した本。「波」というのは矩形波とか三角波のことで、僕はそっち方面に明るくないので暗中模索。唯一、知ってよかったのはファミコン「忍者ハットリくん」のテーマ。「アルルの女」のメヌエット→ハットリくんのテーマ→「天国と地獄」と、するりと変調していく。これがyoutubeでリピート再生しちゃうくらいクセになる。あと「パロディウスだ」のピコピコクラシックも良い。2017/02/06
takka@ゲーム×読書×映画×音楽
15
本著はFC・SFC・PS・PS2以降の4章に分けて約30年のゲーム音楽の歴史をゲーム制作会社で勤務し、作曲経験もある著者がまとめた本。アーケード・コンシューマー(任天堂・セガ・ソニー関係なく)・インディーズや逆輸入されたものまで幅広いゲームを取り扱っている。ドラクエとマリオは確かに認知度が高く、場面によって音楽が変わるため主軸にしている。そして、それぞれのハードでの「制約からどういった音楽性を生み出すか」という問いへの答えがゲーム音楽であり、それを俯瞰できたのがよかった。2022/11/09
しゅん
14
2013年までのゲーム音楽の歴史。非常に勉強になった。どのポイントでエポックメイキング(例えばアクトレイザーの登場)が起きてるかを明確にすることで、歴史がクリアに見通せる。入門としての歴史書。「本物のエレキ・ギターは演奏者の感情や魂といったようなものが率直に演奏に出やすい」など、雑な抽象化は少し目立つが、ゲーム好きから音楽を語るのがそもそも自分の立場と違うため、その語り口自体が面白く感じられた。作曲家のインタビューでどのように作っていたが語られるのも重要。2023/08/17
檜村
14
クラシック、ロック、ジャズなどにもあるようにゲーム音楽にも古典やロマン派があって、歴史は浅いが奥深かった。限られた制限の中で如何に表現できるかが作曲家さんたちの情熱を掻き立てていたのではないでしょうか。2016/06/17