内容説明
移植される臓器は『ヒト』であって『もの』ではない。ドナーの臓器にも意志がある…。譲り受ける側はそのことを理解しなければならない。現役医師が書き下ろした問題提起の書!
著者等紹介
小橋隆一郎[コハシリュウイチロー]
昭和22年生まれ。日本大学医学部卒業後、日本大学医学部助手、杏林大学医学部専任講師、同医学部助教授を経て、杏林大学保健学部教授(医学部兼任教授)・杏林大学大学院保健学研究科教授。現在、コハシ文春ビル診療所・コハシメディカルセンター院長。医学博士。日本ペンクラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MASARU.T
2
昔、仕事で少し関わった事がある臓器移植が題材。また医学生の成長が数々の犠牲の上に成り立っている点や、簡単なミスから訴訟につながる恐ろしさ等、生々しい臨場感が楽しめました。 本物の医師ならではでしょうか。 少しのミスも許さない風潮に今後を考えるとゾッとします。2017/12/04
A2
0
医学生の青年が突然病魔に襲われ、やがて人工透析が必要になる。体力、精神的にも彼を非常にネガティブにさせたが、法医学ではなく臨床医を目指し研修医として医療現場に立つ。医療現場の厳しさは咄嗟の判断とミスが許されない状況だけではなく、死生観や考え方が各々違う患者に「もっと生きたい」という気持ちを起こさせ、痛みや恐怖を軽減させるために何ができるかが大きい。医師は釈迦にはなれない。最終的な選択は患者にある。タイミングさえ間違えなければ助かる命もあるが、選択は患者にある以上、時を巻き戻せないことを思い知ることもある。