内容説明
個性をしっかり持った「強い自我」の女性、柳原白蓮。彼女が嫁いだ伊藤傳右衛門、その実像は、一代で筑豊の炭坑王となり、教育界への進出、銀行の経営にも参画した、志高くして度量も広い人物だった。しかし白蓮と宮崎龍介の出会い、そして二人の逃避行が思わぬ「事件」となり、二人も、そして傳右衛門も様々な「虚説」の渦に巻き込まれていく。大正という時代が生んだ、三人の男女のドラマを詳細に追った。
目次
第1幕 妻からの離縁状
第2幕 拡大した騒動
第3幕 傳右衛門立志伝
第4幕 薄幸の佳人
第5幕 開幕ベルはスクープで
第6幕 なぜ事件は起きたか
第7幕 巻き込まれた宮中
第8幕 昭和初期の醜聞
終幕 いま、ふたたび話題に
著者等紹介
小林弘忠[コバヤシヒロタダ]
昭和12(1937)年東京都生まれ、35年早稲田大学卒業後毎日新聞社に入社、社会部、地方版編集長、情報調査部長、メディア編成本部長をつとめる。退職後ノンフィクションを中心に執筆活動を続けている。平成18年刊行の『逃亡』(毎日新聞社)で第五四回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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