内容説明
「性とは何か」を教えてくれるのは決して「性研究書」ではない。小説の優れた「性の描写」こそが官能の歓びの真実を教えてくれる。
目次
第1章 性愛文学論(性の聖書;戦前戦後性研究の系譜 ほか)
第2章 処女崇拝と巨根願望(自由山荘で繰り広げられる自由恋愛;処女の象徴が出血という誤解 ほか)
第3章 性器の誤解(数の子、蚯蚓、巾着、女性器への男の夢想;性の研究に生涯をかけた小倉夫妻 ほか)
第4章 セックス解体新書(男と女を脅やかす性交の虚虚実実;遊廓は男の我慢を背景とした社会的安定装置だった ほか)
第5章 性交文学の確立(大衆文学における傑物;本格的性交小説の誕生 ほか)
著者等紹介
谷沢永一[タニザワエイイチ]
1929年6月27日‐2011年3月8日。大阪市生まれ。関西大学大学院修了。関西大学教授を経て名誉教授をつとめた。日本近代文学および書誌学専攻。サントリー文学賞、大阪市民表彰文化功労賞、読売文学賞、毎日書評章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tom
10
図書館の新着目録を見て注文。矢沢永一は、昔、ときどき読んでいた評論家。博覧強記のもの凄い人と思っていた。この本は、昭和の性愛文学を論じたというふれこみで、富島健夫と広山義慶の二人を取り上げている(富島はほんの少し流しだけ読みをしたことがある)。書中、延々と富島らの引用が続くけれど、これが少しも面白くない。合間に解説があるけれど、これには何ともコメントのしようがない。帯によれば、「小説の優れた性の描写が官能の歓びの真実を教えてくれる」とのことだけど、86歳の矢沢が教える性愛とは、いったい何なのと大笑い。2016/03/28
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