内容説明
日本古代史上の謎の1つ、近畿以外の地に出自をもつ継体大王。近年急速に解明される越の大王墓にスポットをあて、継体擁立の背景に迫る2年連続のシンポジウムの全容。
目次
1 越の国シンポジウム’89(継体大王出現前後の動向;継体天皇をめぐって;継体興起の背景;継体大王を考える;継体大王の出自とその勢力基盤;水上交通の拠点、三国の港;渡来文化がもたらしたもの;治水伝説と鉄生産;三国とはどこを指すのか;継体大王と尾張氏との関係)
2 越の国のシンポジウム’90(継体朝の国際関係;再検討・継体天皇;継体朝成立の経緯と内外政策;継体大王の妃の出自とその勢力基盤;手繰ヶ城山古墳の被葬者は誰か;地方豪族が支えた継体朝;考古学からみた他地域との繁がり;復元された潟と海上交通;日本海域の地域交流の特殊性;朝鮮半島の情勢―「任那日本府」について;継体朝にみる地方豪族の勢力;屯倉と陵の関係;継体・欽明朝の内乱;磐井の乱をめぐる九州との関係)
3 記念講演―作家からみた継体朝の謎(聖徳太子が作った?継体の系譜;水上交通を掌握した継体;継体擁立をめぐる対立;継体の出自はどこか;阿倍氏と越の関係;なぜ継体が王位に着いたのか;継体没後の時代)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
hyena_no_papa
4
1989,1990の両年、共に9月24日に開催された「越の国シンポジウム―継体大王の謎に挑む」の書籍化。青木豊昭氏を除く門脇禎二、森浩一、白崎昭一郎、水野正好、山尾幸久の参加諸氏と記念講演の作家・黒岩重吾氏は皆既に故人。日本古代史上の転換点の一つと言える継体天皇にかかる問題点が多く取り上げられる。文献、考古双方からの専門的意見が繰り出され会場の緊迫感が紙面からも立ち上ってくるかのよう。継体天皇の出身地とされる越前と出雲・九州との関わり。大和との関わり。あるいは半島とのそれも―。p93都江堰の話は興味深い。2023/05/19
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