内容説明
東アジア史の視点から倭人の登場、邪馬台国の成立と東征、倭国の統一と発展を雄大な構想力でえがく独創的な古代史論。
目次
第1章 倭人の登場
第2章 邪馬台国
第3章 倭国の形成
第4章 倭国の発展
終章 倭国から日本国へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hyena_no_papa
2
338頁の厚目の本だが文章は読みやすい。とは言っても内容まで平明というわけではなく、漢籍や『記紀』『三国史記』などの文献、墳墓や青銅製品など考古学まで視野は広い。各章末に参考文献が列挙してあり、併せると二三百ほどか。邪馬台国九州説の立場を取り、邪馬台国が狗奴国を併合したとか景初二年を正しいとするなどそのまま受け入れるには抵抗もあるが、東アジア史の中に日本古代史を位置づけるという立場は安心感安定感もある。p49から倭面土国王帥升にかなりの紙幅を割いているのは貴重。次のステップへ進む足がかりとしては良書か。2023/05/17