目次
第1部 マクベインのユーモア(ストリートはいかに名付けられたか;マクベイン・ユーモアの形態;イタリー系アイソラ市民の立場;マクベインの〈ふざけ〉の構造)
第2部 87分署の界隈(アイソラ地図序説;市内名所旧跡案内;メースン・アヴェニューの栄枯盛衰;狼火台・銀坑通り・みなと小路)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
5
著者の後書きによると、本著は姉妹作である「87分署グラフィティ」と並行して書かれた由。「グラフィティ」がマクベインのこのシリーズを通じて彼の文学的背景や思想(政治的な好み)などを探ったのに対して、本著は作品群を通じたユーモアの質的分析から見られる氏の作家としての矜持に論及する他、後半ではシリーズの記載を基にニューヨークに擬したアイソラの街を地図に再構成するという試みが述べられている。後者はマクベインがシリーズを通じて確固とした都市構図を念頭に創作に臨んでいる訳ではないことから多くの矛盾が生じる。面白い。2020/09/21