出版社内容情報
人体に悪影響を及ぼす有機フッ素化合物「OFAS」の中でも特に毒性の高いPFOSとPFOA。PFOSは米軍基地の周辺地域で検出され大きな問題となっているが、基地のない地域の水道水からPFOAが検出され、問題が広がってきている。本書は、大阪府摂津市にあるダイキン工業の周辺地域で発生したPFOA汚染の実態を明らかにするとともに、危険性が判明した後でも規制がされず、危険物質の使用が続く日本社会の仕組みを明らかにする。
内容説明
水や空気、食べ物を通して体内に入り込む有害化学物質PFOA。製造工場の周辺地域を汚染しても、責任を認めず補償に応じない大企業、行き場のない廃棄物が地方で放置され拡大する汚染、規制に及び腰の国と自治体、そして沈黙するマスコミ…。昭和の凄惨な化学物質公害の歴史をなぞるように起きる、令和の公害を追う。
目次
プロローグ―PFOA工場のない町でなぜ
第1章 ダイキン城下町
第2章 暗雲
第3章 社外秘文書
第4章 言いなり行政
第5章 置き去りの住民
第6章 加担するマスメディア
第7章 対決
第8章 立ち上がる住民たち
エピローグ―公害温存システムを断ち切る
著者等紹介
中川七海[ナカガワナナミ]
1992年、大阪生まれ。大学卒業後、米国本部の国際NGO「Ashoka」に3年間勤務。2020年から探査報道に特化した非営利独立メディア「Tokyo Investigative Newsroom Tansa」に加入し、ジャーナリストに。原発事故下の精神科病院で起きた患者死亡事件の検証報道「双葉病院置き去り事件」でジャーナリズムXアワード大賞(2022年)、ダイキン工業による大阪での化学物質汚染を描いた「公害PFOA」で、PEPジャーナリズム大賞(2022年)とメディア・アンビシャス大賞(活字部門)優秀賞(2023年)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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