出版社内容情報
こんなにも身近で、こんなにも知らない
ミツバチにいま何が起こっているのか 驚きの生態と忍び寄る危機!
2006年秋、アメリカで、一夜にして巣からはたらきバチが消える不思議な現象が発生した。これは蜂群崩壊症候群(CCD)と呼ばれ、ヨーロッパ各地や南アメリカでも発生し、2007年春までに世界でミツバチのコロニーの4分の1が消失したとされる。いったいなぜこうした現象が起きたのか。
人間は古代より、ハチミツ、ローヤルゼリー、蜜ろうなど、ミツバチからさまざまな恩恵を受けてきた。さらに近年はミツバチ類を含む昆虫による受粉が世界で推定20兆円もの経済的価値を生み出していることもわかってきた。
ミツバチとはどんな生き物なのか、人間の生活とどう関わっているのか、そして現在ミツバチにどんな危機が忍び寄っているのか。
もしもミツバチが世界から消えてしまったら、私たち暮らしはどうなるのか。ミツバチの今と私たちのこれからを考える。
内容説明
こんなにも身近で、こんなにも知らない。ミツバチにいま何が起こっているのか。驚きの生態と忍び寄る危機。
目次
1 ミツバチと人間の出会い
2 ミツバチという生き物
3 ミツバチの生産物
4 もうひとつのミツバチの恵み
5 ミツバチを取り巻く危機
6 ミツバチはへっているのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
86
アインシュタインはミツバチが絶滅すると4年後に人類は滅びるということを知ったので読んでみた。4年後というのは少しオーバーな面があるものの、果実の受粉や、ハチミツの恩恵に預かることは間違いなく減るようだ。蜂は刺す昆虫という生き物と思われがちだが実際には温厚らしい。ネオニコチノイドという農薬が原因になっていることや、寄生虫、ダニ、温暖化、森林伐採などの影響も多い、ここ30年間で日本の面積の5倍の森林が消えていることに衝撃を受けた。専門書ではないがおおまかな実態は知ることができた。図書館本2025/04/03
☆よいこ
84
分類646。写真も図も多い、ふりがなあり▽現代は虫嫌いの時代、しかしミツバチは人間と共に世界で繁栄している。知ることで守る[1.ミツバチと人間の出会い]ハチの起源。養蜂の始まり[2.ミツバチという生き物]コロニー。繁殖[3.生産物]ハチミツ/ハチパン/ローヤルゼリー/蜜ろう/プロポリス[4.もうひとつの恵み]受粉、ポリネーター[5.取り巻く危機]CCD蜂群崩壊症候群[6.ミツバチはへっているのか]コロニー数は減っていない、養蜂家の努力。しかし需要は増えているため足りなくなるかも▽2024.6刊。良本2024/08/18
たまきら
42
ミツバチについてオールマイティに説明している、子どもも楽しめる一冊だと思います。特に文化史が面白く、ウェルギリウスの農耕詩やウァッロの農業論、ファン・リーという中国の紀元前500年ごろの哲学者が養蜂技術について書いている…とか、新しい情報です。ただCCDとネオニコチノイドについての説明に納得がいかず、驚いて監修の方を見たら中村先生でした。中村先生はネオニコチノイドには寛容な姿勢を持つ珍しいミツバチ学者さんなのよね~。2024/09/23
kawa
37
我が家にも、先月あたりまでブーンと蜂がやってきて、うっとうしく思っていた。聞けば、養蜂家が蜂蜜採取のために放つ西洋ミツバチの活動らしい。本書はそのミツバチの生態を解りやすく解説。我が国のミツバチに関する生産額は、蜂蜜、ローヤルゼリー、蜜ろうの生産額が51億円、花粉交配用のミツバチ販売・レンタル料が21億円なのだそうだ。イチゴ、キュウリ、ピーマンなどがハウス栽培でいつでも食べれるようになったのはミツバチの花粉交配のお陰。バース・デイのイチゴケーキは彼女らに感謝しながらを食さねば(図書館・新刊コーナーから)。2024/07/20
さと
0
6462024/09/30