出版社内容情報
現代の日本は、経済や社会の縮小・衰退に伴って発生する諸問題に直面している。現代の日本が必要としているのは、拡大・成長路線に復帰することではなく,経済や社会の縮小・衰退を受け入れる価値観を育み、当面する課題に対処することができる新たな理論や概念を構築していくことではないか、こうした問題意識に立ち、文字通り「ポスト拡大・成長の経済地理学」を検討する。
内容説明
生産の経済地理から再生産の経済地理へ。拡大・成長を展望しがたくなっている日本の社会・経済。いま求められているのは、働いて所得を得て、モノやサービスを消費し、生活を営み、次の世代を育てる人間が創り出す再生産の経済地理だ!
目次
第1部 地域構造の過去と現在(戦後日本の地域構造・都市構造と再生産;ポスト拡大・成長期の労働市場の地理的多様性と空間的非定常性;若者のライフコースからみた地方圏と大都市圏をめぐる地域格差)
第2部 地方創生と再生産をめぐって(「地方創生」の目的論;政治経済学的人口地理学の可能性―『縮小ニッポンの衝撃』を手掛かりに;融けない氷河―「就職氷河期世代」の地理を考える;再生産の困難性、再生産と主体性)
終章 資本主義の危機としての少子化―生活の空間的組織化の困難化
著者等紹介
中澤高志[ナカザワタカシ]
明治大学経営学部教授。東京大学総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)東京大学。大分大学経済学部准教授、明治大学経営学部准教授を経て現職。専門は経済地理学、都市社会地理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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