出版社内容情報
都会の住宅街にこつ然と現れる〝森〟。広大な屋敷林に囲まれた大平家は世田谷で400年続く農家。11代当主の大平美和子さんは、小正月・節句・畳上げ・梅仕事・お盆・お彼岸など、さまざまな年中行事を今も生活の一部として暮らす。篤農家であった大平家の歴史は、日本の農業の歴史でもあった。ビニールハウス栽培を初めて確立し、農薬への疑問から有機無農薬栽培への転換もいち早くおこなった。屋敷のけやきで腐葉土を作り、種をまき、苗を植え、収穫して種を取り、また種をまく…ゆっくりと続く農の循環。跡継ぎのない最後の当主として、失われゆく原風景と農的暮らしを語り継ぐ。
内容説明
89歳、最後の女当主が語り継ぐ、東京の原風景と家族のものがたり。小正月・節句・梅仕事・お盆…年中行事に彩られた農的暮らしが、東京の真ん中に存在する奇跡。
目次
プロローグ―けやきのある家
1章 大平家の年中行事
2章 戦前戦中の大平家―私の子ども時代
3章 戦後の食糧増産時代―篤農家だった父
4章 無農薬有機栽培への転換―家族の悲喜こもごも
5章 若葉会の過去・現在・未来
エピローグ―けやきは思い出のすべてに
著者等紹介
大平美和子[オオヒラミワコ]
1933(昭和8)年生まれ。東京・世田谷で江戸時代より400年続く大平農園の11代目にして最後の当主。代々伝わる東京の年中行事を大切に守りながら暮らす。父の信彌氏は篤農家として知られ、日本で初めてビニールハウス栽培を確立し、全国から研修生を集めた。その後、先代の病気から農薬の弊害にいち早く気づき、夫・博四氏の時代に有機無農薬栽培へ転換。種の自家採取や有機肥料を用いた循環型の農業を現在も続ける
菅聖子[スガセイコ]
1965(昭和40)年生まれ。編集者、ライター。『世界を救うパンの缶詰』(ほるぷ出版)で第65回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。