内容説明
「政治的自由」をめぐる明治憲法と日本国憲法との違いは何か。天皇制国家の専制的性格を明治憲法の構造、治安維持法の成立過程とその果たした役割から明らかにする。戦前の緊急事態法制と現在の改憲問題を論じた第3部「緊急事態法制の展開」は書き下ろし。
目次
1 明治憲法下の市民的自由(明治憲法の構造と市民的自由;戦前日本における政治的自由をめぐる攻防―自由主義憲法学・憲法思想の挑戦と限界)
2 治安維持法の成立と展開(治安維持法成立史論―一九二〇年代における天皇制国家の治安法制再編成をめぐって;治安維持法の成立をめぐって;ファシズム期の言論統制と治安維持法―記事差止、目的遂行罪と転向政策)
3 緊急事態法制の展開(近代日本における緊急権発動の歴史と現代改憲)
著者等紹介
渡辺治[ワタナベオサム]
一橋大学名誉教授。1947年東京都生まれ。1972年東京大学法学部卒業、73年4月より79年3月まで東京大学社会科学研究所助手、79年10月より同研究所助教授、1990年4月より一橋大学社会学部教授、2000年4月より10年3月まで同大学大学院社会学研究科教授、この間、2004年12月より06年11月まで同大学院社会学研究科長・社会学部長、2010年名誉教授。2012年より15年まで日本民主法律家協会理事長。2004年より「九条の会」事務局(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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