内容説明
あの日から10年―遠い町でひとりぼっちになった犬は、ある日、故郷をめざした。原発事故の被災地に何度も足を運び、取材を重ねた著者にしか描けなかった絵本。
著者等紹介
鈴木邦弘[スズキクニヒロ]
1973年生まれ。長岡造形大学卒業。2015年から原発事故後の福島県双葉郡の取材を開始する。現地を「歩く」ことにこだわり、これまでに帰還困難区域をふくめ、のべ250kmを踏破。土地の空気を感じ、写真におさめ、それをもとにイラストレーションと絵本の制作をおこなっている。第4、6回MOEイラスト絵本大賞入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
215
東日本大震災から10年、まだ震災の傷は癒えていません。そんな状況を実感させるような絵本です。いぬの避難先は、さいたま新都心なので、親近感が湧きました。犬の絵がもっと可愛いと売れるような気がするのですが・・・ 🐕 https://www.junposha.com/book/b557170.html 2021/02/19
モモ
59
表紙の『原子力 明るい未来のエネルギー』の看板がつらい。昔はにぎわっていたであろう商店街に人影はない。家があの日に倒れたままになっている。今は急ピッチで解体が進んでいるらしい…。『Please pass through as quickly as possible』の看板。『帰宅困難区域』よりも、より切羽つまった危なさを知らせるのはなぜだろう。田んぼはセイタカアワダチソウに覆われた後、今はメガソーラー施設に姿を変えた。そしてまた首都圏に電気を送っていることに驚いた。多くの人に読んでもらいたい一冊。2021/10/08
けんとまん1007
53
先に読んだ「百年後を生きる子どもたちへ: 「帰れないふるさと」の記憶 (それでも「ふるさと」)」とシンクロする。絵本だからこそ、主人公がいぬの視点だからこそ、一層、伝わるものがある。無かったことにしようとする力に取り込まれてはいけない。2021/05/31
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
51
東日本大震災で埼玉に避難した犬が、震災10年後の故郷の福島県双葉町を訪れる話。犬目線で描かれている。著者が実際の写真を撮り絵を描いている。2021/06/14
ツキノ
27
2021年3月発行。犬の目線で描く、原発事故後の双葉町の姿。著者が歩き、写真に撮り、絵を描いた記録。(E144)2021/05/05