内容説明
罪を犯した人の存在は、共生社会の射程に入っているのか?地域福祉の欺瞞性を突く。
目次
第1部 “処遇”から“支援”へのパラダイム転換(日本の犯罪の何が問題か?;誰の、何のための社会復帰か?;再犯防止が社会復帰を妨げる?;ただ生きるための犯罪?)
第2部 地域で支える住まいと暮らし(地域のなかに生活の拠点を構える;出所者の「住まう」を支える;地域における出所者支援の最前線)
地域共生社会時代のソーシャルワーク
著者等紹介
掛川直之[カケガワナオユキ]
立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員。2018年大阪市立大学大学院創造都市研究科博士課程修了。博士(創造都市)。社会科学系出版社編集者、大阪市立大学都市研究プラザ特別研究員(若手・先端都市)、日本学術振興会特別研究員(DC2)、同特別研究員(PD)等を経て現職。専門は、司法福祉学・地域福祉援助・都市共生社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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jackbdc
1
衝撃的なデータが並ぶ。受刑者の約9割はIQが100未満。若い受刑者は減っているが、高齢者は横ばい。少子高齢社会を反映しているのだろう。再犯者率も上昇している。本書は犯罪者を地域で包摂すべきと述べている。NIMBY感情を踏まえて、あまりにも非現実的な主張かとも感じたが、誤解であった。何も犯罪者の更生をお隣さんや自治会に押し付けようというものではなかった。担い手は専門的ソーシャルワークを実践するプロ。公的機関ではなく民間組織(公費の援助は必要だろうが)だから地域と呼称している。成功事例に基づく提言のようだ。2020/10/28
Go Extreme
1
再入受刑者:59.7% 帰住先なし:50% 無職:70% 貧者の福祉国家的統制→処罰による刑罰的統制 新しい貧困 社会的排除 共起ネットワーク 刑事司法シスステム・処罰コード 福祉システム・援助コード ソーシャルワーク 理想的な被害者・ステレオタイプ 処罰神話・刑事司法神話 社会復帰支援機能を阻害 貧困·社会的排除のスパイラル 過去の自分と向き合う・ボジティヴに新たな役割をみつける 犯罪歴等を有する者のアイデンティティの転換プロセス 出所者に対する居住支援の4ステージ 犯罪からの社会復帰・レジリエンス 2020/10/03