目次
第1部 出所者支援につきまとう不安(出所者支援の不安を語る前に;出所者支援に大きな不安なく取り組むためにソーシャルワーカーは何を学んでおくべきか―これだけは知っておきたい司法福祉の基礎知識;出所者は何を心のよりどころにするのか―当事者主体の支援の必要性;支援者は何を求めているのか―出所者支援に必要な社会資源;不動産業者のリスクを軽減させるものは何か―出所者が暮らし続けたいと思える住まいの確保に向けて;雇用主の躊躇を取り除くものは何か―出所者を雇用するハードルを下げる)
第2部 不安を解消するための担い手の役割(出所者支援における法律家の役割;出所者支援におけるソーシャルワーカーの役割)
著者等紹介
掛川直之[カケガワナオユキ]
日本学術振興会特別研究員(PD)大阪市立大学都市研究プラザ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Akihiro Nishio
23
知り合いが出した本。15人の共著だが、半分くらいの人を知っている。著者によって3ページから30ページまで分量の差が大きい。塀の中で働いている人は書きにくいみたい。出所者の住まい確保の章では、やるべきことを淡々と書いてあるのだが、確かに援助なしだとハードルが高すぎる社会の仕組みに驚き、隙間支援の章では、これほど情熱をかけて様々なことをやっている人の存在に驚愕した。就労支援や出所前支援の章も良かった。あまりにも広すぎる領域である。どこかのステージで出所者に関わる人には必読の本じゃないかな。2018/10/18
イカ
2
犯罪者は処罰を受けるべき人であると同時に、支援を受けるべき人でもある。司法の対象であり、福祉の対象でもある。本書の15人の著者は、様々な立場から出所者の支援をしている。その一人一人の活動の様子を読むことで、弱い立場にある人を寄ってたかって助けようとする人たちが、色々な場所にいるのだと気づかされた。この社会は犯罪者に対する視線も制度も冷たい。しかし、犯罪者を見捨てるだけの社会でもない。特別な職にある人だけでなく、書名にあるように「わたしたちにできること」を考え実践する気持ちがわいてくる良い本だった。2021/03/26
かー
1
出所者が社会復帰してからの支援についての本だった。出所後の生活は、矯正施設にいるときから生活環境の調整が行なわれるが、それだけで全てが終わるわけではナイ。実際に、再犯率の高さが問題になっている。地域でどれだけ彼らを受入らるのかが大事だ。2022/10/18
しょうこ
1
・ソーシャルワーカーの目指すところは「社会正義」と「個々の人権の尊重」。 ・過去の犯罪歴に関わらず本人のやる気と経験にもとづき雇用の機会がある社会、住まいが確保できる社会、必要なサービスにつながっていられる社会、地域のなかで孤立せずに暮らせる社会の実現の追求をしていくことが重要。 ・出所者は「犯罪者」というひとくくりの視点で見るのではなく、個人的として支援することでラポールの形成につながる。 ・出所者本人の不安を理解する姿勢をつくる。 2022/02/26
海戸 波斗
1
刑務所しか居場所のない人達、と共に読みたい。累犯障害者でしょ。おや兄弟に迷惑がかかるって本当のことなんだ。あれっ人に迷惑かけちゃいけないんだよね…ワケわかんなくなってきた。2018/10/30